乳がん手術後の方をやさしくサポートする【下着カタログ】

2016/02/29

胸の手術を受けて、今まで使っていたブラジャーが付けられない場合があります。そんな時、どのような下着を選べばいいのでしょうか?

胸の病気で広く知られているのは乳がんですが、その他にも良性のしこりで手術を行う場合があります。また、乳がんの手術には乳房を温存する方法と切除する方法があり、切除した乳房の再建を希望する方もいます。

どのような手術を受けたのか、手術後どれくらいの期間が経過しているかなどで、適した下着が違ってきます。

今回は、手術の直後、日常生活に戻る頃など、術後の時期に応じたブラジャーやグッズを紹介しています。手術後の日々が少しでも快適に過ごせるよう、下着探しのお手伝いが出来たら幸いです。

手術前後や放射線治療中に使える胸帯とブラジャー

ここでは乳がんの手術を中心に話を進めていきますが、乳がんが見つかったからといって必ずしも手術をするとは限りません。

【乳がんの治療法の例】

  • 手術(乳房温存療法、乳房切除術など)
  • 放射線照射治療
  • 抗ガン剤療法
  • ホルモン療法

この中から症状や条件に合わせて治療法を選択します。また、手術とその他の方法を組み合わせるケースもあります。

では、胸部の手術を受けた後には、どのような下着が適しているのでしょうか?

手術後の下着に求められる条件とは

手術の前後は1~2週間程度の入院生活を送る事になります。(入院期間には個人差があります。)

最近の病院では貸出用のパジャマが用意されている事が多いです。このパジャマや検査着は前開きの物が多いです。

胸部の診察が多くなる事を考えると前開きの下着が便利です。

前開きの下着のメリットはもう1つあります。術後は腕が動かしにくくなることが多く、背中の金具を付け外しするのが困難なので、前開きの方が使いやすいのです。

手術直後に適した下着「胸帯」ってどんなもの?

手術の直後に付けるために、「胸帯」というものが市販されています。下記はワコールが展開しているワコールリマンマの「術後の胸にやさしいブラ」です。


リマンマブラジャー

手術の為に作られた胸帯は、傷口やデリケートになっている皮膚に考慮して、縫い目が外側にあるか、平らになっています。

タグが外側に付けてあるもの、パッドを入れるポケットがついているものが多いです。また、マジックテープで止めるタイプは着用したままレントゲン撮影が可能です。

胸帯は、乳がん手術を行う病院であれば、売店などで取扱がある事が多いです。また、通信販売で購入することも可能です。価格は2~3千円から用意されています。

手術と並行して放射線治療を受ける場合には、濃い色の胸帯をお薦めします。放射線治療の際に皮膚にマークを付けることがあるので、濃い色の下着の方が色移りの心配がないからです。

乳がんの手術を受ける方は、手術直後に付けるための「胸帯」を用意しておくといいでしょう。

胸帯の代用になる下着とは?

洗濯のことを考えると複数の胸帯が必要になってきます。

もう少し手ごろなものはないのか?と考えた乳がん経験者の方が、胸帯の代用として試してみたものを紹介します。

  • 授乳用ブラジャー
  • 和服用ブラジャー
  • 夜用ブラジャー

いずれも、締め付け感がなく前開きのものが使いやすいようです。

これらのもので代用可能だったという方もいれば、やはり専用の胸帯がよかったという方もいます。一般に市販されている物で代用出来れば、デザイン面・価格面での選択肢が広がります。

バストの大きさやバランスを調整してくれるパッドの種類

乳がんの手術で胸の一部や全体を切除すると左右の胸のボリュームが違ってきます。

見た目の問題もありますが、体の左右のバランスを整えるためにもパッドが必要です。(体のバランスが変わると肩こりなどにつながるケースがあります。)

ここからはバストの大きさを調整するためのパッドの種類を見ていきましょう。

パッドに使われる素材とは?

胸に入れるパッドには次の様な素材があります。

素材 特徴 価格
シリコンタイプ 感触が柔らかい、胸に貼るタイプもある 高価
ジェルタイプ 軽くて形が変えやすい 手ごろ
ウレタンタイプ 軽くて洗濯が簡単 手ごろ

このような種類があります。ウレタンタイプは水着のカップにも使われている素材なので、ご存知かもしれませんね。

パッドの形にはどんなものがあるの?

パッドの形は、手術の方法と術後の時期によって適したものがあります。

乳房温存手術の場合、手術の直後はウレタンパッド、その後は乳房温存用のシリコンパッドがお薦めです。

全摘出手術の場合、手術の直後はウレタンパッドなど軽めの物で保護し、その後はシリコンパッドに切り替えるといいでしょう。

パッドには素材と形が違うものがセットになったものもあり、違う素材を組み合わせてカバーに入れて使うことが出来ます。

また、シリコンパッドには肌に貼りつけられるタイプもあり、動きやすくて肩への負担も少ないと好評です。

日常生活に戻りつつある時期に付けたいブラジャー

退院後は、少しずつ日常生活に戻っていくと思います。この時期のブラジャーは、次の様な点に気をつけたいです。

  • ノンワイヤー
  • 程良いフィット感
  • 通気性・肌触りがいいもの
  • パッドが入るポケットがあるもの

乳がんの手術を受けた方に向けたブラジャーは、多くのメーカーから発売されています。デザインのバリエーションも増え、ショーツと揃ったタイプも見かけます。

手術後用のブラジャー以外の選択肢とは

日常生活に戻る時期に、入院中に使ったものを引き続き使う方もいれば、カップ付きのキャミソールを愛用している方もいます。

多くの方が声を揃えるのは、「ワイヤー入りは痛くて無理」という話です。

ワイヤーさえなければ、元々使っていたブラジャーが丁度いいのに・・と思って、手術前に使っていたブラジャーのワイヤーを片側だけ抜いたものを使っているという話も聞きます。

乳房再建を目指す方の場合には

乳がんの手術を受けた方で、乳房再建を目指す方がいます。乳房再建術にはタイミングによって2つの方法があります。

  • 一次再建(同時再建):手術と同時に行う方法
  • 二次再建:手術後に改めて行う方法

乳房再建術には、自分の組織を使う方法と、皮膚の下にエクスパンダーという拡張器を入れ、皮膚を伸ばした後にシリコンインプラントに入れ替える方法があります。

エクスパンダーを入れている方は徐々にバストサイズが変動するので、カップ付きのキャミソールなどが便利なようです。

それでもサイズが合わない場合、カップの中に入れるパッドの形や枚数で調整するといいでしょう。

アクティブに活動できるようになった時に使いたい下着やグッズ

体調が戻ったらスポーツや旅行を楽しみたいと思っている方も多いと思います。体力の回復も期待出来ますし、気分転換にもなるので積極的に取り組みたいですね。

ここでは、乳がんの手術を受けた方をサポートするためのスポーツブラや水着、温泉用のグッズなどを紹介します。

スポーツをする時に着けたいブラジャーと水着

乳がんの手術を受けた方向けの、パッドを入れるポケットがある水着が市販されています。

水着のデザインはセパレートタイプで、上着は前開きの方が脱ぎ着が楽なようです。

水着には、袖がついたタイプもあります。

水着に比べると数は少ないですが、手術を受けた方向けのスポーツブラも市販されています。普通のスポーツブラとの違いは、パッドを入れるポケットがあるか?という点です。

術後専用のものでなくても、パッドを入れることが出来れば使うことが出来ます。

温泉に入る時に胸をカバーしたい

乳がんの手術を受けた方にとって、一番行きにくいのは温泉かもしれません。でも、今は色々工夫されたグッズが売られています。

1つは、肩から掛けるタオルタイプのものです。

タオルタイプ

タオルの両端が絞られたデザインで、胸元に自然にフィットします。パッドが内蔵されているので、膨らみを出すことも出来ます。少し器用な方ならば、真似して自分で作ることも出来そうですね。

もう1つは胸にかぶせるタイプの入浴着で、付けたまま浴槽に入れるものが市販されています。

この入浴用のカバーは衛生面での許可を受けていて、「入浴着・バストのカバーを歓迎します」と呼びかけている温泉も増えています。

かぶせるタイプ


かぶせるタイプ

このようなカバーの存在が一般の方にも知られるようになって、どこの温泉でも気兼ねなく使える日が待ち遠しいですね。

胸の手術を受けた方の下着選びのポイントとは

ここまでに出てきた、胸の手術を受けた方の為の下着選びのポイントをまとめておきます。

  • 肌触りが良く、吸湿性の高い素材
  • 胸を締め付けず、保護するデザイン
  • 術後しばらくは前開きが便利
  • パッドが入るポケットがあると便利
  • レントゲン撮影が可能なマジックテープタイプが便利

このような点に気を使って選ぶと快適に過ごせるでしょう。専用の物だけでなく、今まで使っていた物や一般に市販されている物を上手く代用している方も多いです。

術後のバストをサポートする為に、様々な下着が用意されていた!

日本人女性の14人に1人が乳がんになるという統計があります。これは食生活や生活スタイルの変化が一因と考えられています。

乳がん患者さんが増えることに伴ってサポートする体制も整ってきています。

メーカー側も、乳がん患者さんの声を取り入れた様々な下着やパッド、グッズの開発を進めています。皆さんの経験もアンケート等を通して伝える事で製品やサービスに反映されるかもしれません。

ここをご覧になっている方の中には、療養途中の方もいらっしゃると思います。どうぞお大事になさってください。

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