乳がん検診を受けてみよう!気になる検診内容や費用はどんな感じ?

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諸外国に比べると、日本では乳がん検診を受ける女性が少ないと言われています。ピンクリボン運動による啓発や芸能人の乳がん告白などもあって、近年は乳がん検診を受ける女性も増えていますが、まだまだみんなが当たり前に検診を受ける時代にはなっていません。

乳がん検診の重要性は理解していても、「乳がん検診ってなんだか怖い」「どんなことをするのかよく分からない」「費用が高そう」などという思いから、つい先送りしてしまうという女性も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、乳がん検診の実際について詳しくご紹介していきます。何となく検診をためらってしまうという方は、ぜひ参考にしてくださいね!

なぜ乳がん検診を受けないといけないの?受診のメリットとは

乳がん検診の中身についてご紹介する前に、まずは簡単に乳がん検診の必要性をお話したいと思います。

初期なら完治も可能!

乳がんは自覚症状が出た時点で、ある程度進行していることが多い病気です。検診を受ければ、自分では分からない初期の乳がんを見つけることができます。
進行度別 乳がんの5年生存率
乳がんがバストの中だけでとどまっていて転移がない段階(局限がん)で発見し、治療を開始したケースでは、5年生存率が95%以上となっています。

リンパ節や隣接している臓器に転移があった乳がんでも85%近くの5年生存率ですから、早く発見すれば乳がんは決して怖い病気ではなく、完治を目指すこともじゅうぶん可能なのです。(転移や再発については、こちらに詳しく説明しております。

乳がんに打ち勝つためにも、乳がん検診を受けて早く発見する必要があるのです。

乳がん検診の内容と流れ

乳がん検診には、のちにご紹介するようにいくつかの種類の検査があります。

どれを行うかは年齢や状況によって異なりますが、厚生労働省が推奨している乳がん検診は40歳以上の女性を対象としており、問診・視触診・マンモグラフィを基本メニューとしています。そこに、希望や必要に応じて超音波検査を組み合わせることがあります。

これらの乳がん検診で異常が見つかれば、精密検査(二次検査)を受けます。二次検査でも最初の検診と同じ内容の検査を行いますが、検診と精密検査では見方が違いますので、無駄に繰り返すわけではありません。

さらに、しこりから注射器で細胞を採ってがん細胞かどうかを調べる細胞診や、乳頭から分泌物がある場合は分泌物の検査などが必要に応じて行われます。

精密検査と言われても心配しすぎないで

乳がん検診を受けて精密検査が必要という結果が出ると、とても不安になってしまうことでしょう。しかし、要精密検査となったからといって、乳がんだと決まったわけではありません。

まったく異常が認められない場合と、しこりが見つかっても良性と判断できる場合以外は、すべて要精密検査とされるのです。
乳がん検診を受けて乳がんだった人の人数
日本対がん協会の調べによれば、乳がん検診を受けた人のうち精密検査が必要となるのは5%ほどで、さらにそのうち乳がんと診断された人はわずか0.2%ほどだったのです。

つまり、精密検査が必要と告げられても、よく調べてみたら乳がんではなかったというケースの方が、圧倒的に多いのです。

まず問診やマンモグラフィなどの乳がん検診を受けて、少しでも疑わしい部分があったら精密検査を勧められるという流れなんですね。

精密検査が必要になる人は多くなく、さらに乳がんが見つかる人は1%にも満たないんですね。

しかも、乳がんが確定しても初期ならほとんどの人が助かるなんて、乳がんって思ったほど怖くないという気持ちになれました!

乳がん検診の基本、問診とはどんなもの?視触診についても紹介!

先にも触れたように、国が推奨する乳がん検診の内容は、問診と視触診とマンモグラフィです。まずは、そんな基本的な検診項目である問診と視触診についてお話します。

問診では何を聞かれるの?

問診でチェックされる項目には、以下のようなものがあります。

  • 年齢
  • 生理周期など生理の状況
  • 妊娠・出産・授乳経験
  • 自覚症状の有無、病状
  • 家族や親族に乳がんにかかった人がいるかどうか
  • これまでかかったことのある病気
  • これまでの乳がん検診受診状況

家族歴や生理周期なども聞かれますので、生理周期のメモを持参したり、血縁関係のある親戚で乳がんの人がいるかどうかわからないときは家族に尋ねておいたりすると、より正確な問診が可能となります。


もちろん、これだけで乳がんかどうかの診断ができるわけではありませんが、リスクを推測するうえでの重要な情報となりますので、この問診は必ず受けることになります。

視触診とは

視触診とは、医師が直接バストを見たり触れたりすることで、以下のような点を診察します。

  • しこりがないか
  • 乳房の皮膚にくぼみやただれ、赤味、腫れなどの異変がないか
  • 乳頭から分泌物が出ないか

視触診によって分かるしこりや皮膚および乳頭などの異常は、ある程度進行した乳がんのみとなってしまいます。また、これらはセルフチェックでも調べることができるものなので、乳がん検診にて行う意味はさほどないと言われています。

視触診を実施することで乳がん死亡率を下げることはできないことが分かっているため、乳がん検診を受けても視触診が行われないこともありますが、検診を受ける場所によっては実施される場合もあります。

乳がん検診って、医師にバストを触られたりするっていうイメージでちょっと抵抗があったけど、視触診をやらないこともあるんだね!

もしも視触診で異常なしと言われても、小さな乳がんが隠れている可能性はあるから、必ずマンモグラフィとか他の検査も併用しなきゃダメみたいだね。

問診では生理周期についても聞かれるのか~。前の生理がいつだったか覚えてないと困っちゃうから、これからはちゃんと記録しておかなきゃいけないね!

マンモグラフィってどんな検査?みんな受けるべきなの?

では次に、乳がん検診の代名詞ともいえるマンモグラフィについて、簡単にご紹介します。

どんな検査なの?

マンモグラフィーは、板に乳房を挟んで薄く伸ばし、レントゲン撮影をするという検査です。

乳がんやしこりがあると白く映るので、触診では確認することのできない小さながんも見つけることができます。

しかし、乳腺がぎっしり詰まった人や、若い女性などは、乳腺の陰に隠れてがんを発見できないこともあるため、万能な検査ではないということは知っておきたいところです。

マンモグラフィーは若い人には不向き?

先にも触れたように、乳腺が発達していることの多い若い女性には、マンモグラフィー単独の乳がん検診は、あまり適していないと考える医師もいます。

そのような事情もあり、厚生労働省が推奨する乳がん検診の対象は40歳以上となっているのです。しかし、40代でもまだ乳腺が多い場合はガンを発見しにくいこともあり、マンモグラフィーでは2方向から撮影するのが基本です。50代を超えると1方向からというところもあります。
乳がんと言えばマンモグラフィという印象でしたが、40歳未満で乳腺が濃い人に対してはあまり精度の高い検査とは言えないみたいですね。ちょっと意外でした!

年代によって、マンモグラフィーの撮影方向が違うというのも初めて知りました。40代だとまだ乳腺が濃い人も多いので、2方向からの撮影が必要なんですね。

超音波検査(エコー検査)による乳がん検診についても知ろう!

次にご紹介するのは、超音波検査です。乳がん検診で行う検査としては中心的なものではありませんが、行われる機会も増えています。さっそく、どんな検査か見てみましょう。

超音波検査とは

超音波とは、人間の耳には聞こえないレベルの音の波であり、それを当てることによって対象物の反射を映像化できるものです。したがって、乳がん検診における超音波検査とは、乳房に超音波を当て、乳房内にしこり等があるかをその場で映像によって確認する検査です。

ベッドに横になって超音波の機械を当てるだけなので、痛みはまったくありません。マンモグラフィーのように放射線にさらされることも、細胞診のように針を刺すこともないので、身体的な負担が軽い検査です。

超音波検査では、視触診では分からない小さなしこりを見つけることも可能であり、また、しこりが良性かガンなのかの判定にも用いられています。

どんな人に向いている検査なの?

超音波検査による乳がん検診に適しているのは、以下のような方々です。

  • 妊娠中の人
  • 授乳中の人
  • 40歳未満の人
  • 乳腺密度の高い人
  • マンモグラフィー検査の痛みに耐えられない人

超音波検査なら被ばくの心配がないので、妊娠中の女性でも乳がん検診が可能ですし、乳腺が多くてマンモグラフィーに向かない若い女性や、授乳中の女性でも大丈夫です。

自治体の乳がん検診では40歳以上を対象としているので、超音波検査は実施されません。若い女性などで乳がん検診を希望する方は、超音波検査も可能な病院で受診するとよいでしょう。

超音波検査でも乳がん検診ができるんだね!痛くなくて横になってるだけでいいなんて、そんなラクな検査方法があったなんてうれしい~!

特に40歳未満の若い女性には、ガンを発見するという意味でも超音波検査が向いてるんだね。

苦痛がないだけじゃなく、ガンも見つけやすいなんて一石二鳥だね!

そうね。それで乳がん検診を受けてみようかなって思える女性が増えるかもしれないし、痛くないって大事なことよね。

乳腺密度には個人差があるけど、まだ密度が高い人が少なくない40代の女性には、マンモグラフィと超音波検査の両方を勧めている病院もあるのよ。

乳がん検診の費用はどれくらい?自治体の補助を活用すべし!

乳がん検診の中身についてご説明してきましたが、最後に気になる費用についてもお話します。

乳がん検診の費用は、40歳以上かそれ未満かによって異なります。それぞれについてどれくらいお金がかかるのか見ていきましょう。

40歳以上対象の乳がん検診の費用

基本的にどの自治体でも、40歳以上の女性を対象に乳がん検診が行われています。

費用は自治体によって異なりますが、500円~3,000円程度が目安です。また、40歳・45歳・50歳…など区切りの年齢の女性は無料になる自治体も少なくありませんので、該当する方はこの機会にぜひ検診を受けましょう。

検診の実施場所は、保健センターや検診センターなどの公共施設にて集団で行う自治体もあれば、市内の病院に各自で行く形式のところ、その両方を実施していて都合が良い場所で受診できる自治体など様々です。

まずはお住いの自治体のホームページや広報などで、実施状況を確認してみましょう。保健センターや市区役所などに問い合わせてみると、費用や日時、実施場所などを詳しく教えてもらえます。

40歳未満の乳がん検診費用

40歳未満の女性は、個人的に乳がん検診を実施している病院にて受診することになります。その場合は自治体の補助が受けられないので、金額は高くなってしまいます。

具体的な費用は病院や検診内容によって異なりますが、マンモグラフィが5,000円前後、超音波検査は3,000円前後、両方受けると8,000円前後となり、診察代も含めて10,000円ほどが目安です。お近くのいくつかの病院に問い合わせてみるとよいでしょう。

このような出費にためらいを感じる女性もいるかもしれませんが、しこりなどの自覚症状がある場合は保険が適用されるので、より少ない自己負担で乳がん検診が受けられます。気になる症状がある方は、すぐに受診してください。

自覚症状などについては、こちらの記事も参考にしてください!

自治体の乳がん検診は、40歳にならないと受けられませんが、費用が安いというのが最大のメリットですね!

でも、自治体の検診は問診と視触診とマンモグラフィだけなので、超音波検査も受けたいという人は病院へ行く必要があるみたいです。

病院の検診でも10,000円程度が目安とのことで、自覚症状があればもっと安くなるみたいですし、心配な女性は気軽に受けてみるといいですね。

乳がん検診は怖くない!40歳を過ぎたら定期的に受診しよう!

乳がん検診でどんなことをするのか、お金はどれくらいかかるのか等についてお話してきましたが、いかがでしたか?

「乳がん検診=マンモグラフィが痛い」というイメージを持っていた女性は、痛くない超音波による検診もあると知って少し安心できたのではないでしょうか。特に若い女性は、マンモグラフィは向かないケースが多いので、超音波で乳がん検診を受けるのもひとつの手段です。

とはいえ、乳がん検診が推奨されているのは40歳以上の女性ですから、あまり若いうちから焦って毎年検診を受けたりするのはかえって良くないこともあります。自覚症状の有無や年齢に応じて、上手な乳がん検診の受け方をしていきましょう!

乳がん検診は、40歳を超えたら1~2年に1回受診することが推奨されているわ。早く発見すればほとんどの乳がんは治せるから、40歳以上の女性は自覚症状がなくても乳がん検診を受けてみてね。

自治体の補助を受ければ無料かとても安い費用で受診できるし、これを利用しない手はないわよ!

40歳未満で気になる点がある人は、病院で超音波検査による検診を受けるといいわ。

乳がん検診や乳がんと診断されることよりも、小さな乳がんを見過ごしてしまうのが一番怖いことよ。乳がんや検診の内容をよく理解して、自分の年齢や状況に合わせた行動を取りましょうね!