妊娠中に乳癌発覚!知っておきたい赤ちゃんと母体どちらも守る治療法

2016/12/14

女性に多い病気は?と聞かれたら必ず上位に入るであろう病気「乳癌」。

かかってしまうとすぐに死ぬといった病気ではないですが、自分の胸が無くなってしまう可能性もありますし、避けておきたい病気であることは間違いありません。

しかしそんな乳癌がもし、自分のお腹に新しい命が宿っている時期…すなわち妊娠中に発覚してしまったら、どうしますか?

産むことは出来るのか?産まれてくる子供に影響はあるのか?など、たくさんの不安が出てくることでしょう。

幸せな妊娠を不安で覆わないためにも、乳癌の基礎知識から妊娠中に乳癌が発覚した場合などの対処などを解説していきたいと思います。

乳癌って自覚症状はあるの?どんな病気か詳しく知りたい!

乳がんは女性に多く発症している病気。「怖い…」と思う女性も多いと思います。

一度乳がんにかかってしまうと乳房を摘出しなければならないのでは?、早く死んでしまうのでは?といった不安な気持ちを抱えることもあるでしょうが、そもそも乳がんとはどのような病気なのか?を知っておくことが非常に重要です。

万が一自分が乳がんにかかった場合、その知識があるとなしでは当然心の落ち着きなども変わってきます。「怖いから知りたくない」と思う方もいるかもしれませんが、もしものために知識を蓄えておきましょう。

その名前の通り、乳がんは乳房付近に出来る悪性腫瘍のこと

基本中の基本、乳がんとは何か?という部分をまずは説明しましょう。乳がんは大きく以下の3種類にわけられます。

  • 非浸潤がん
  • 浸潤がん
  • パジェット病

ひとつだけ毛色の違うものがありますが、いずれも乳がんです。その違いを表にしてまとめました。

名前 特徴
非浸潤がん がんが発生した場所にとどまっており転移していない状態。
発見される乳がんの1~2割程度。
早期発見時は非浸潤がんである可能性が高い。
浸潤がん がんが発生場所にとどまらず、近くの組織などに転移している状態。
湿潤がんの中でも転移した場所などによって
「乳頭腺管がん」「硬がん」「粘液がん」などに分類される。
パジェット病 乳頭や乳輪部にがんが広がり、ただれや炎症を起こす病気。
がん自体は非浸潤がん。
閉経後の女性に多く発症し、かつ発生する可能性は1%程と
かなり珍しいタイプの乳がん。

マンモグラフィ検査などで早期発見がなされた場合(しこりがない状態)であれば非浸潤がんのケースが多く治療も簡単ですが、転移している可能性がある浸潤がん(しこりの部分が浸潤がんとなります)の場合、ステージによってどのような状態か変わってきます。

パジェット病は皮膚炎と勘違いしてしまうケースもありますので、もし乳輪や乳首が赤くただれたりしたら早めに皮膚科に行きましょう。

ステージは全部で5つ。多くの場合ステージ2までに発覚

乳がんがどれだけ進行しているかは「ステージ(病期)」にて表現されます。

基本的にはしこりの大きさや転移の状況によりステージが決定されますが、さらに細かく状況を分類した「TMN分類」などもあります。

0期はまだ転移が始まっていない状態で、いわゆる「非浸潤がん」の状態と言えます。

I期でもまだ脇の下のリンパ節には転移しておらず、がん細胞が乳房内にとどまっている状態です。ステージ0~1が「早期発見」と言える時期となります。

あくまで早期発見と言われるのはステージ1までではあるのですが、生存率のグラフを見ていただくと、ステージ2でも十分な生存率があることがわかります。

さすがに臓器にまでがん細胞が転移しているステージ4となると手術も不可ですので治療方法が限られてしまい、生存率は低くなってしまうのですが、全体の平均を見ても5年後の平均生存率は約80%程度。

特にしこりに気づくのがステージ2くらいですので、基本的に全身に転移してからがんが発見された、というケースは乳がんに関しては少ないといっていいでしょう。

ただし、妊娠中や授乳中の女性の場合は注意が必要です。

なぜなら、女性ホルモンの働きが活発になることで乳房が敏感になったり腫れてしまったりと、いわゆる「普通の状態」ではないからです。

そのためステージ0のような非常に小さいしこりの場合は発見が難しくなります。また、しこりであっても乳がんではない可能性も高いため自身でも判別がつきにくいこともあります。

授乳が落ち着いてきたときなど、医師と相談しつつ出産後に一度乳がん検診を受けておくことをおすすめします。

更に詳しい情報については下記記事を参照ください。
【乳癌のタイプと治療法】生存率を上げるには早期発見がカギ

乳がんとひとくちにいっても様々なパターンがあるんですね。非浸潤がんはケースとしてはそんなに多くないようですが…。ステージ0の時点で発見できればまだ転移していないので、治療をすればほとんど身体には問題がなさそうです。

ステージ2や3であっても、きちんと治療を行えば5年後の生存率は高く、他のがんと比べても安全…というのは変ですが、絶望的になる必要はないように思われます。

ただ早期発見には乳がん検診が不可欠と言えるので、きちんと検診を受けることが大切ですね。

妊娠中に乳がんと発覚!お腹の子は産むことが出来る?

がんはいつ発症するかわからない病気です。つい先日まで元気で全くがんなんて印象がなかった人が実は…なんてこともあります。

それは自分にも当てはまる状況ですよね。毎日特に違和感もなく健康に過ごしていると思っていたら、実は乳がんだったということもあるかもしれません。

がん宣告はいつであってもショックなものですが、自分のお腹の中に赤ちゃんがいる状態…つまり妊娠中に乳がんであることがわかった場合はショックは2倍以上となってしまうでしょう。

自分は助かるのか?それに加えて、このお腹の子を産むことは出来るのか?という大きな2つの不安が渦巻くことでしょう。ここからは、妊娠中に乳がんが発覚してしまった時の不安や疑問にお答えしていきたいと思います。

妊娠中に乳がんになっても子供を産むことは可能。治療は安定期から

まず最初に、不安を取り除く一言を。

妊娠中に仮に乳がんが発覚したとしても、子供を産むことは可能です。

昔は中絶を勧められていたようですが、現在(1990年代以降)ではできるだけ出産出来るようにサポートをしていくことが基本となっています。ただし、本格的な治療は出産後となりますので、医師との連携、相談が非常に重要になります。

乳がんの治療ですが、妊娠初期や前期(15週まで)に乳がんであることがわかった場合は実は取れる手段が少なくなります。

まだ赤ちゃんが安定期に入っていないので、取れる治療方法が少ないからなんですね。

妊娠前期では麻酔をかけることによって流産の危険性が少し高まるとされ,手術は妊娠中期まで待てるようなら待つほうが無難かもしれません。その他の治療は妊娠前期に行うべきではありません。

妊娠前期に乳がんと診断された場合は,妊娠中期まで治療を待つか,少し危険であっても治療を開始するか,それとも中絶するか,担当医や家族と十分に相談して判断してください。
引用元:患者さんのための乳がん診療ガイドライン – 日本乳癌学会

妊娠初期の方が安全というイメージを持っていた方もいるかもしれませんが、お腹の子に与える影響を考えると実は安定期に入ってからのほうが手術などはしやすいんです。

妊娠中期、16週を超えると赤ちゃんの器官が完成するため、本格的な乳がんに対する治療を開始することが出来ます。

乳がんの専門医師が答えるサイト「All About 乳がん.info」に、妊娠期による治療方法などの違いを非常にわかりやすく図にしたものがありますので、引用します。

妊娠期による治療法などの違い

この通り、妊娠初期は取ることが出来る選択肢(治療方法)が非常にシンプルなことがおわかりいただけると思います。

癌の治療方法は様々!しかし妊娠中に取れる方法は少ない

「乳がんの治療」とはいっても方法は様々。一般的な乳がんの治療方法は

  • 手術(外科療法)
  • 放射線療法
  • 薬物療法
  • ホルモン療法

の主な4種類となります(ホルモン療法は薬物療法の中に含まれるケースもあります)。

それぞれの方法の違いを簡単にですがまとめました。

方法 内容
手術療法 乳がん治療の基本。ステージ1~3の場合は必ず行われる。
乳房の一部のみ切除する「乳房温存手術」が現在は増えているものの
乳房とリンパ節を切除する「胸筋温存乳房切除術」が一般的。
放射線療法 放射線を当てる治療法。乳がんの場合は手術後の再発防止目的
(術後放射線療法)や転移した部分の痛みを和らげるために使用。
正常な臓器等にも放射線が当たるため、副作用が出ることも
薬物療法 抗癌剤やホルモン剤、分子標的治療薬を利用した方法。
抗癌剤を使った治療は「化学療法」と言われる。
がん細胞を死滅させることが出来るが、白血球や血小板の減少、
脱毛などの副作用も多い。

乳がんの増殖に関係しているとみられる「HER2タンパク」を
減少させる「分子標的療法」も注目されている。

ホルモン療法 多くの乳がんは女性ホルモン(エストロゲン)が
がんの増殖に影響を与えていると考えられており、
女性ホルモンに依存しやすい乳がんの場合は
エストロゲンが働かないようにするホルモン療法が有効とされる。

がんのタイプや位置などによって取る方法は変わりますが、基本的には手術を行い、術後に放射線治療や化学療法などを行うのが多いケースとなっています。

治療をすることでお腹の子供に影響がないか心配…

主に4種類の治療方法がある乳がんですが、ママとして心配なのは「治療をすることでお腹の子供に何かしら影響はないのか?」という点だと思います。

もちろん医師もわかっていますので影響がない、あるいは非常に少ない方法を取ることとなりますが、その分制限はどうしてもかかってしまいます。

先ほども軽く触れましたが、妊娠前期(15週くらいまで)は手術も行いません。麻酔による流産の危険性や、胎児が奇形になってしまう可能性があるからです。

妊娠中期(16週以降)から本格的な治療が始まります。妊娠中のがん治療で利用することが出来る方法は

  • 手術(外科療法)
  • 化学療法

の2種類のみです。

放射線治療は妊娠中は絶対に行われません。妊娠初期ですと胎児が奇形になってしまう可能性がありますし、後期ですといくら腹部を保護しても被ばくしてしまう可能性があるからです。ただし、出産後には手術後の再発防止として放射線治療が行われます。

同様に女性ホルモンの分泌が活発に行われる妊娠中には、女性ホルモンの働きを抑制させる「ホルモン療法」も行われることはありません。

基本的にはがん部分を摘出する「手術(外科療法)」あるいは抗がん剤を使用する「化学療法」の2つの手段が取られます。

化学療法というと抗がん剤ですが、すべての抗がん剤を使用してもいいというわけではなく、妊娠中の女性は使用できる薬に制限があります。

  • ドキソルビシン(アドリアシン)
  • シクロホスファミド(エンドキサン)
  • フルオロウラシル(5-FU)

この3種類の抗がん剤は、投与した場合としなかった場合の胎児の状態に変化がなかった、つまり胎児に影響がない抗がん剤と認められているため妊娠中の乳がん治療にも利用することが出来ます。

薬名 影響
メトトレキサート(メソトレキセート) 胎児の流産、奇形の可能性あり。羊水に蓄積も。
タキサン系薬剤
(タキソテール、タキソールなど)
胎児に安全というデータがなし
ハーセプチン(分子標的治療薬) 胎児に安全というデータがなし

これらの抗がん剤は胎児に対していい影響と与えない(あるいはわからない)ため、妊娠中の投与は行われません。

また、妊娠中ではなく出産後(授乳中)にがんが見つかった場合、母乳にがん細胞が入ってしまい子供に遺伝してしまうのでは?という不安もあるかもしれません。

ですが授乳によるがんの遺伝はありませんので安心してください。仮にがん細胞が含まれていたとしても消化出来る程度ですし、万が一大量にがん細胞が母乳に含まれている場合は母乳の色が通常と大きく違うため、その異常に気づきます。

実際のがん治療となると、かなり身体的な負担がかかりそうだし、手術でおっぱいがなくなっちゃうっていうのもかなり複雑…。というかイヤ!

もちろん赤ちゃんがいるから自分が死ぬわけにはいかないし、それがパワーになるとは思うけど…。妊婦さんのがん治療って、妊娠していない女性と大きく違う部分って結構あるものなのかな?

やっぱり妊婦さんだと治療に時間がかかるとか…。

妊娠中の女性の場合、どうしても取れない治療方法があるわ。それはX線を使う「放射線治療」と、女性ホルモンの働きを抑制する「ホルモン療法」ね。まあ、ホルモン療法は女性ホルモンに依存しているがんの場合にしか使われないのだけど。

がん治療の流れとして、まずは手術して病巣を取り除くの。これはステージによって乳房を温存するかどうか変わるわ。その後抗がん剤などの科学治療や放射線治療を行っていくのが一般的で、これは妊娠中であろうとそうでなかろうと変わらないわ。

抗がん剤を胎児に影響がないもののみ使用したり、出産してから放射線治療を始める…というくらいね。

もしかして乳がん?妊娠中にしこりを見つけた時はどうする?

妊娠中、新しい命を対面するのがとても楽しみ…なはずなのに、どうしても乳がんが気になる。胸を触ってみたらしこりのようなものがある…!

「乳がん=しこり」というイメージが非常に強いので、しこりがあると「もしかしたら乳がんなのでは!?」とパニックになったり、大きな不安を抱えてしまう女性も少なくありません。

乳がんである可能性ももちろん0ではありませんが、そのほとんどは心配しなくても大丈夫なコト。

ここでは妊娠中に気になるしこりについて、解説していきます。

小さめのしこりがある気がする…大丈夫?

なんとなく、小さいしこりがあるような気がする…という方。しこりというだけで乳がんかも!?と思ってしまうかもしれませんが、基本的には心配ありません。

特に妊娠中は出産し、授乳するために乳腺が発達していきます。

赤ちゃんにおっぱいを上げるために乳腺や乳腺葉などが発達し大きくなっていくんです。だからバストサイズがアップするんですね。

乳腺が発達していく中でどうしてもしこりが出来てしまうことは珍しくないんです。

心配であればエコーなどで担当医にチェックしてもらうといいでしょう。

多くの女性が「妊娠中にしこりが出来た!これはもしかして乳がん!?」と思うようですが、ほとんどが乳がんではなく乳腺の発達によるものです。

また、非常に珍しいことですが「副乳」のケースもあるようです。

ちょっと驚きですが、なんと胎児のころはわたしたちは7~9つの乳房を持っているんです。しかし成長するにつれそれは1つに減っていきます。これは進化の過程で元々は複数の乳房を持っていたものの左右1つずつになったことに由来しています。

しかし、たま~…に、消えるべき乳房が消えないまま残ってしまうケースがあるようです。女性でも約5%、男性で約1.5%ですから確率はそう高くないことがおわかりいただけるかと思います。

普段それまでは気づかなかったものの、妊娠により乳腺が発達することで大きなしこりのように思っていたものが実は副乳だった!なんてことがあるようです。

とはいえ非常にまれな話ではあるので、気になったら担当医にすぐ相談することが一番ですね。

妊娠前に検査をして異常なしでも、しこりが出来たような気が…

毎年定期的に乳がん検診をしていて、妊娠前も異常なし。…なのに、妊娠したらしこりが出来たような気がする。これは妊娠が乳がんの原因!?なんていうケースもあります。

もちろん妊娠が乳がんの原因となることはありません。きちんと検査をしてその時異常がなければ、乳がんである可能性は低いと言えるでしょう。

例えば5月に検査をして、9月にしこりを見つけた場合乳がんである可能性はほぼ薄いと言えます。

なぜなら、乳がんがそこまで短期間に成長・増殖することは考えにくいからです。十中八九、は言いすぎですが単純に乳腺の発達によるしこりである可能性のほうが高いと言えるでしょう。

しこりを発見。遺伝性乳がんの可能性があるか心配…

妊娠中の胸のしこりは誰であっても不安になってしまうものですが、特に「遺伝してガンになってしまったのではないか」と思う女性にとってはその不安はさらに大きなものとなるでしょう。

確かに、乳がん及び卵巣がんは「HBOC:遺伝性乳がん・卵巣がん症候群」という病気により遺伝による発症の可能性もあります。

これは、「BRCA1遺伝子」「BRCA2遺伝子」という2種類の遺伝子が乳がん及び卵巣がんの発症と関連付けられると言われており、この遺伝子が病的変異を起こすことで乳がんや卵巣がんが発症するリスクが高くなる、というものです。

日本人女性が生涯のうちに乳がんを発症するリスクは8%、卵巣がんは1%と言われています。世界中で行われた数多くの研究によって、生まれつきBRCA1遺伝子あるいはBRCA2遺伝子に病的変異をもっている場合どの程度がんになりやすいかが明らかになってきました。(中略)

例えばNCCNガイドラインでは、BRCA1遺伝子またはBRCA2遺伝子に病的変異がある女性の生涯発症リスク推測値について、乳がんは41-90%、卵巣がんは8-62%と記載されています(※)。
引用元:ファルコバイオシステムズ |HBOCってどんな病気?

とはいえこの2つの遺伝子に病的変異を起こしている女性であっても、必ず乳がん及び卵巣がんが発症するわけではありません。あくまで高くなる傾向があるということです。

では、自分が遺伝性乳がんにかかる(かかっている)可能性があるか確認するにはどうすればいいのか。これは「遺伝カウンセリング」を受けることで遺伝子検査を行い調べることが可能です。

ですが以下の項目に当てはまらない場合はHBOCである可能性は低い(あるいはない)と言えるでしょう。

  • 若年発症の乳がんである
  • トリプルネガティブ乳がんである(2種類の女性ホルモンとHER2に受容体がない予後が悪いもの)
  • (一人で)2個以上の原発性乳がんになっていること
  • (一人で)乳がんと卵巣がんを発症したこと
  • 血縁者が乳がんを発症したことがある(※)
※…血縁者が「50歳以下で乳がんを発症した」「卵巣がん・卵管がん・腹膜がんを発症した」「乳がんや膵がんを発症した血縁者が二人以上」の場合当てはまります。

あとは男性乳がんである場合も遺伝カウンセリングの対象となりますが、今回は女性のお話ですので割愛しています。

遺伝カウンセリングの中で、自身がHBOCかわからない、検査をしたいという場合は「BRCA1/2遺伝子検査」を受けることも可能です。

  • すでに乳がんまたは卵巣がんを発症しており、HBOCの疑いがある場合
  • 血縁者がすでに「BRCA1/2遺伝子検査」を受けており、がん発症のリスクを持っている場合

上記のいずれかのケースで行う検査が変わってきます。

確かに遺伝でもガンになる可能性はあるのですが、その確率はそう高くないとされています。ただ、母親や叔母がどちらも乳がんまたは卵巣がんを発症している…といった場合はもしかしたらHBOCの可能性もありますので、遺伝カウンセリングを受けてみてもいいかもしれません。

妊娠中はどうしても乳腺が発達していくので、しこりのようなものが増えてしまうんですね。

乳がん=しこりのイメージってとっても強いですから、どうしても「もしかしたら妊娠中に乳がんになっちゃったのかも!?」って心配になっちゃいますよね…。

妊娠中であれば先生の診察も定期的に受けることが出来ますから、気になったらどんどん相談するのがいいと思います。

しこりといっても乳がんの場合はくぼみが出来たり、石灰化(硬い)しているなど同じしこりでも特徴が違うケースも多いので、知識をつけておくことも大切ですね。

妊娠中でも検査は受けられる!乳がん検査いろいろ

この記事を読んでいてなんだか心配になってきた、妊娠前にはロクに検査を受けていなかったけどもしかしたら乳がんだったのかも…?など、心配の種を増やしてしまったかもしれません。

乳がんは「しこり」という非常にわかりやすい目印があるためセルフチェックでも見つけやすいがんではありますが、自分ではしこりが乳腺の発達によるものなのか、それとも乳がんなのかわからない…ということも十分にあるでしょう。

実際、妊娠中の胸のしこりが気になり、もしかしたらガンかもしれない!と検査しても乳腺だった、というケースは非常に多いです。

「でも、妊娠中に検査を受けても大丈夫なの?」と疑問に思った方もいるでしょう。最後に、妊娠中の乳がん検診やセルフチェックなどについてご紹介していきたいと思います。

不安になったら検診もアリ!妊娠中でもがん検診は受けられる

「もしかしたら乳がんかもしれない。検査したいけど、お腹の子に影響があるのはイヤ!」と思うママさんは多い…むしろすべてのママさんがそう考えているといってもいいかもしれません。

しかし、不安はストレスのもと。あまり強いストレスを抱えているとお腹の子にも影響が出てしまいます。

意外かもしれませんが、妊娠中の女性でも乳がん検診を受けることが可能なんです。

受けることが出来るのは「触診」や「超音波検査」

妊娠中の女性が受けることが出来る乳がん検診は「触診」及び「超音波検査」の2種類となります。

触診はその名前の通り、医師が実際に乳房や脇のリンパ節などをチェック。くぼみやしこりなどがないか、乳頭からの分泌物や出血がないかどうかなどを確認していきます。

利用できる2つ目の検査方法は「超音波(エコー)検査」です。

乳房に「プロープ」という探触子を当てて、超音波を送り乳房から返ってきた音波の変化を画像に変換し断面図をチェックする検査方法です。

乳がん検診といえば「マンモグラフィー」というイメージですが、超音波検査ではマンモグラフィーでは発見しにくいしこりを見つけることが出来るのが特徴です。

また、放射線を一切使用しないのでどの時期の妊婦さんでも検査を行える点も大きな魅力です(これは視診・触診も同様です)。

ケースによって可能なのは「MRI検査」です。磁気を使った装置の中に入るだけでの非常にラクな検査方法ではあるのですが、強い磁場を利用することもあり、妊娠初期にはあまりすすめられていません。妊娠中期、後期であれば受けられるケースが多いです。

ただ、MRI検査は造影剤を利用することが多いため、造影剤を利用する歳のMRI検査は妊娠初期には行わないとされています。かなり詳しく検査することが可能ですが、最初からMRIということはあまりないでしょう。超音波検査で気になる部分が見つかった後…というケースが多いです。

この辺りの情報について興味があるなら、こちら貧乳だと凄く痛いってホント!?マンモグラフィの真実とは?の記事もおすすめですよ。

妊婦さんが利用できないのは放射線を使用する検査!

残念ながら、妊娠中の女性が利用できない検査方法もあります。それは

  • マンモグラフィー
  • CT検査

の2種類です。それぞれの検査方法も簡単に説明しておきましょう。

マンモグラフィーは実際受けたことがなくても知っている、という方が多いと思います。透明な板で乳房を上下または左右にはさみ、圧迫した状態にしてX線(放射線)撮影を行います。

乳房内の「脂肪」「乳腺」「石灰化部分」を撮影することが出来るため、がんの早期発見に繋がります。しかし若い女性の場合はマンモグラフィーだけでは乳がんが発見しにくいケースもあり、超音波検査を併用することも多いです。

CT検査はX線を利用し、身体の断面図を撮影する検査方法です。こちらもX線を利用するため妊婦さんの検査としては不向きです。さらに造影剤を使用するケースもあるのですが、造影剤を使用したCT検査は基本妊婦さんに対しては行われることはありません。

妊婦さんが乳がん検診を受けるとすれば、まずは超音波での検診。そこで気になるしこりなどが発見されたらMRIや「細胞診」という、実際の組織を採取して検査する方法が取られることになるでしょう。

セルフチェックも大切。気になったら主治医に相談を!

こういった検査をすることも大切ですが、セルフチェックを行うことも非常に大切です。

こちらの「日本エステティック協会」のピンクリボン運動のために作られた動画が非常にわかりやすくまとまっており、「セルフチェックをしてみたいけどどうやればいいのかイマイチわからない…」という方にはとても役立つ内容となっています。

ただ、妊娠中はどうしても乳腺が発達する時期ですので、先ほども触れましたように「乳腺の発達によるしこりなのか、乳がんのしこりなのかわからない」ということも多いでしょう。

その時は一人で悩まずに、主治医に気になっていると相談してみましょう。超音波で様子を見てくれたり、がん検診の手続きを取ってくれるかもしれません。

がん検診はマンモグラフィーのイメージが強いけど、今はMRI検査まであるんだね。

若い女性の場合、バストの脂肪が多いからマンモグラフィーだけではなかなか乳がんが発見できないんだって(79%程度)。だから超音波検査も一緒に受けることで早期発見率が90%以上になるの。基本的にはセットになっていることが多いと思うけど、意識しておきたいね。

MRI検査は1回だけで90%以上わかるけどちょっと手間がかかったり、最初に受けることはなかなか出来ないみたい。妊娠中はマンモグラフィーは受けられないけど超音波検査なら大丈夫だから、心配なら超音波でだけでもチェックしてもらうといいと思うよ。

仮に乳がんとわかってもあきらめないで。定期的な検診がカギ。

仮に自分が乳がんとわかっても、「もう死んでしまうんだ」とは思わないでください。

これまで説明してきましたが、基本的に乳がんがみつかる時期はステージ0~2程度です。5年後の生存率は90%程度とかなり高いんです。

それに早期発見しやすいがんであることも乳がんの大きな特徴です。1ヶ月に1回程度セルフチェックを行い、1年に1回程度きちんとマンモグラフィーや超音波検査を受けることで90%程度の早期発見が見込めます。

今や12人に1人が乳がんになってしまう時代です。「自分は大丈夫だろう」と思っていても、いつ乳がんが発症しているかわかりません。

定期的に検診を受けていれば早期の状態で治療を受けられる可能性も十分にあります。妊娠中でも治療を受けることは可能ですし、赤ちゃんへの影響も少ない治療法も確立されています。

これから我が子を育てていくためにも、やはり母親は健康でいなければなりません。出産後落ち着いてからでも大丈夫ですので、定期的に検診を受けたり、セルフチェックを行って健康な身体を維持出来るように努めたいですね。

「がん」は治せない病気だから、一度かかってしまうともうどうしようもない…。そんなイメージはずっとわたしたちにつきまとっているわ。

妊娠中という幸せ絶頂とも言える時期に乳がんであることが発覚した場合、その心痛は想像するに余りあるわ。将来この子を残して死ぬわけにはいかない、もっと思い出を作りたかった…と絶望してしまうかもしれない。

でもがんを乗り越えている人はとても多いし、乳がんであればその人数はもっと多いの。適切な治療をすれば再発することもほとんどないし、元気に過ごすことが出来るわ。

治療は辛いものになるでしょうけれど、自分の子供との時間のためにも頑張って欲しいわ。

できるだけ治療の負担を減らすためにも、生存率を上げるためにもきちんと定期的な検診は受けておきたいわね。恥ずかしい、と思う人もいるかもしれないけどそれで病気が早く見つかり、軽い治療で済むなら安いものよ。

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