2月12日は「ブラジャーの日」!誰かに話したくなるその由来とは
元来、「○○の日」といえば、「勤労感謝の日」「秋分の日」など、国民の祝日をイメージする人が多かったかと思います。でも最近は、9月9日は「救急の日」、11月11日は「ポッキー&プリッツの日」というように、啓蒙やPRのための「○○の日」がたくさん制定されています。
そんな「○○の日」のひとつに、「ブラジャーの日(2月12日)」があることをご存じですか?バストアップに欠かせないアイテムであるブラジャーの日って、いったいどんなものなのでしょうか?なぜ2月12日になったのでしょう?
今回は、そんな気になること満載の「ブラジャーの日」について知るともに、この機会にブラの歴史についても振り返ってみることにしましょう!
どうやってできたの?2月12日がブラジャーの日になったワケ
「ブラジャーの日があったなんて初耳!」という女性も多いかと思いますが、知っていたという方でも2月12日に制定されるまでの詳しい事情までは、なかなかご存じないかもしれません。
そこでまずは、2月12日が「ブラジャーの日」となるまでの経緯をご紹介したいと思います。
由来はブラジャーの特許申請の日
ブラジャーの日の由来について、現在の日本における代表的な下着メーカーであるワコールのサイトから引用させていただきます。
ブラジャーの日とは、アメリカ人女性のメアリー・フェルプス・ジェイコブさんが1914年2月12日、ブラジャーの原型となるものの特許を申請した記念日です。その名称は「バックレス・ブラジャー」でした。
彼女が考案したブラジャーは、2枚のポケットハンカチーフとリボンを縫い合わせたもの。
引用元:ワコール
というわけでブラジャーの日は、現在のブラジャーの原型となるものの特許が申請された日を記念してできたものだったのです。
ちなみに「サイズの日(3月12日)」もありますが、こちらは「3(サ)1(イ)2(ズ)」という語呂合わせだそうです。
ブラの日の由来になったのはどんなブラ?
ブラジャーの日の元となった、メアリー・フェルプス・ジェイコブさんが考案したブラである「バックレス・ブラジャー」。これは、いったいどんなブラだったのか、ちょっと興味をそそられますよね。
先の引用文中にもあったように「バックレス・ブラ」は、このように2枚のハンカチーフとリボンを縫い合わせただけのごくシンプルなものでした。
でも、この形こそが、今私たちがごく当たり前に使っているブラジャーの原型であり、当時は革命的なデザインだったのです。
「バックレス・ブラ」誕生のきっかけ
そんなバックレス・ブラジャーが開発されたきっかけは、メアリーさん自身のデヴュタントだったのです。日本にはない風習なので想像しにくいですが、ヨーロッパやアメリカでは今でも社交界デビューするお嬢様方が存在しますよね。
メアリーさんも、そんな女性の一人だったようです。そして、1891年うまれのメアリーさんの時代は、まだ女性下着としてコルセットが着用されていました。
そして、間に合わせで作ったバックレス・ブラの原型は、メアリーさんの友人たちにも大好評でした。そんな経緯を経て、メアリーさんはこのような形の女性下着がビジネスになると気づいたのだそうです。
こちらが、メアリーさんのお写真。ドレスをきれいに着るためにバックレス・ブラを考え付いただけあって、とってもオシャレな女性だったようですね。ちなみにメアリーさんは、ビジネスには「Caresse Crosby」という名前を使用していました。
自分の晴れ舞台で着るドレスを美しく見せるためにバックレス・ブラを考えて、その若さで特許まで取ってしまうとは、オシャレで仕事もできる女性だったんですね!
それにしても、2枚のハンカチとリボンを縫い合わせたものがブラの原型になっているなんて、私たちが今つけているブラジャーは、ある意味偶然が生んだとも言えるんですね!
昔のブラってどんなものだったの?その歴史をのぞいてみよう!
前章では、ブラジャーの日の由来についてお話しました。繰り返しになりますがブラジャーの日は、現在のブラの原型となったものの特許が申請された日が由来でした。しかし、それ以前にもブラジャーは存在していました。それは、どんなものだったのでしょう?
この機会に、ブラジャーの歴史を振り返ってみましょう!
ブラの起源はいつ頃?
ブラジャーの歴史をたどってみると、実に古代ギリシャの時代にまで遡ります。つまり、紀元前3000年代の頃から、バストが揺れないように布を巻き付けるということが行われており、これがブラジャーのもっとも古い起源と考えられています。
当時は、女性の身体を美しく見せるためというよりは、歩いたり動いたりしやすいように、実用目的でバストを布でおおっていたと思われます。
とはいえ、現在でもブラの役割には、乳房や乳首の保護という面ももちろんあります。女性のバストにとってノーブラというものは、大昔も今もやはり厳しいものであると言えますね。
ヨーロッパを中心にブラが発展!
もう少し新しい時代を見てみると、女性下着の歴史で大きなウェイトを占めるのは、やはりコルセットでしょう。中世から20世紀初頭頃まで、ヨーロッパを中心に長くコルセットが女性の下着として用いられていました。
そんな中、19世紀初期には「ブラシエール」と呼ばれる下着が登場します。ブラシエールの説明を、以下に引用させていただきます。
紐で胸部に巻きつける左右に分かれた胸当て。ブラジャーの前身である。フランス革命の激動期、ロココ期の衣装から、合理的な新古典主義の衣装へと劇的に展開したとき、鯨骨入りのコルセットとパニエは使われなくなり、そうした過渡期の下着である。
引用元:公益財団法人 京都服飾文化研究財団
アンダーバストで紐を使って固定するところはやはり昔のものという感じがしますが、形としては現在でもありそうなものですよね。メアリーさんのバックレス・ブラが現在のブラの原型とすれば、このブラシエールはその前身という位置づけと言えます。
ちなみに、「ブラシエール」という言葉はフランス語で、ブラジャーの語源とも言われています。
コルセットからブラジャーへ
ブラシエールのような布製の胸当ては、コルセットと取って代わったわけではなく、コルセットの下もしくはドレスとコルセットの間に着けて併用される時期もありました。
メアリーさんの「バックレス・ブラ」開発当時も、すでにコルセットの時代は終わりを迎えつつありましたが、コルセットと組み合わせて着用するものでしたよね。
バックレス・ブラの開発と前後して、1900年代には鯨の骨や鋼鉄製のコルセットは廃れ、化学繊維で着け心地のやさしいコルセットも登場します。そして、その後まもなく息苦しいコルセットは一般的ではなくなり、バックレス・ブラを原型とする現在のようなブラジャーが用いられるようになったのです。
そして、機能面だけでなく女性の美しさを表現するためのものとしての「ランジェリー」という概念も、どんどん広まっていったのです。
古い女性下着といえばコルセットのイメージだけど、コルセットも軽くて苦しくないものへと進化して、今でも補正下着として存在し続けてるよね。それとは別に、ブラはブラで女性をよりきれいでセクシーに魅せるものへと進化したんだね。
それにしても、キツいコルセットの時代に生まれなくてよかった~!
今後も目が離せない!日本のブラジャーは機能もデザインも進化中!
お話してきたように、コルセットから現在のような形状のブラに至るまで、女性下着の進化は欧米がけん引してきたものでした。それでは、日本ではどうだったのでしょうか?私たちのご先祖様たちがどのようなブラの歴史を経てきたのか、ちょっとのぞいてみましょう。
日本でブラが広まるのは戦後のこと
欧米でブラジャーが女性を美しく彩るものとなってからも、日本はまだまだ着物の時代でした。したがって、バストにはノーブラもしくは、さらしを巻くだけの時代が続きます。
大正時代には「乳バンド」の広告が出たりしたものの、本格的にブラが広まったのは洋服を着るようになった戦後のことです。
日本では1949年、ワコールの前身の和江商事から「ブラパット」が発売されました。
これは、針金をらせん状に巻き、布をかぶせてバストを形よく見せるもの。
終戦後、女性のファッションが和装から洋装へと変化する中で、大人気商品となりました。これをきっかけに、1950年、和江商事の第一号のブラジャーが誕生します。
引用元:ワコール
この「ブラパット」や翌年の第一号のブラジャーをきっかけとして、日本女性にとってブラジャーというものが認知され始めたのです。
カップサイズは1種類だけだった!?
こちらは、1951年ごろにワコールが発売したブラです。形は今のものとほぼ変わりないですが、注目すべきは素材です。
私たちが今つけているブラはアンダーベルトに伸縮性のある素材が用いられていますが、このブラは伸びない布でできています。そのため、アンダーのサイズはS・M・Lの3種類があったものの、なんとカップサイズは1種類だけだったそうです。
パッドを入れるポケットは当初からついていたため、パッドで多少調節することはできたかもしれませんが、合わないブラをやむを得ず着ける女性も多かったのでしょうね。
現在のようなサイズ表記はいつできた?
では、現在のようなサイズ展開になったのはいつ頃からなのでしょうか?それは、1980年に新JIS基準改定が行われたのがきっかけです。その時から、カップとアンダーのサイズを組み合わせた「C70」などのようなサイズ表記になったのです。
ただ、このサイズ表記はJISによるもの、つまり日本工業規格という国内の基準なので、アメリカやヨーロッパのブラとは異なるサイズ表記となっています。とはいえ、国内メーカーならどのブランドでも共通したサイズというのは、選びやすくてありがたいものですよね。
ブラはまだまだ進化中!
一口にブラと言っても、今ではいろんなブラジャーがありますよね。
- スポーツブラ
- ナイトブラ
- 授乳ブラ
- ストラップレスブラ
- Tシャツ用ブラ
- 補正ブラ
こんなふうに、用途やシーンに応じて実に様々なものがあります。でも、たとえばワコールが寝る時専用の「ナイトアップブラ」を開発したのは2004年のこと。意外と最近で驚いたという方も多いのではないでしょうか。
このように、今では当たり前になりつつあることも、ブラに関しては意外と歴史が浅いものなのです。ということは、今後も決して遅くないペースで、どんどん進化していくはず!ますます私たちのバストを美しくしてくれるブラの発展を、これからも楽しみにしましょう!
ブラジャーの日記念セールにも注目!
ここまで、ブラジャーの古くて新しい歴史をご紹介してきましたが、毎年2月12日のブラジャーの日には、そんな歴史に思いを馳せるのも面白いのではないでしょうか。
ぜひ、2月になったらお気に入りの下着屋さんで、セール情報をチェックしてみてくださいね!
それにしても、「A70」のようにサイズ表記が統一されてからまだ数十年、今では当たり前になりつつあるナイトブラがワコールから売り出されてから、まだたったの10年ちょっとというのには驚きました!
ブラの導入は欧米に後れを取ったものの、戦後にブラという概念が登場してからは、ものすごい勢いで進化してきたんですね!
そんな思いに応えるためにも、ブラジャーの日にはセールを開催するお店も出てきているのよ。この機会に、憧れのブランドで新しいブラを買うのもいいわね!
2月はバレンタインだけじゃない!「ブラジャーの日」もお忘れなく!
世の中いろんな記念日があるものですが、そのうちのひとつとして「ブラジャーの日」なんていうちょっと面白い日があることをご紹介してきました。その由来が、今私たちが当たり前に使っているブラの原型となるものの特許が申請された日というのも、興味深いですよね。
ブラジャーの日は2月12日ということで、奇しくもバレンタインデーの2日前。ブラジャーの日にきれいなブラを買って、バレンタインはそのブラを着けてパートナーと過ごすというのも乙なもの。
毎年のブラジャーの日を、サイズ計測やフィッティングをして、新しいブラを買う記念日として活用するのもいいですよね。ぜひ、自分らしいブラの日をお過ごしくださいね!
今のブラの原型になったものが特許申請された日が「ブラジャーの日」の由来というわけだから、毎年2月12日は、今こんなにいろんな種類やデザインのブラがあることに感謝するのもいいわね。
セールに行くも良し、ブラの歴史を振り返るも良し。あなた好みの方法で、ブラジャーの日を満喫してね!