乳がん手術後専用の下着をご紹介!術後の胸に優しい工夫とは
乳がんという病気は、女性にとって関心が高く、誰にとっても他人事ではないものですよね。そんな乳がんの手術を受けると、今まで使っていたブラジャーが付けられない場合があります。その場合、どんな下着を選べばいいのでしょうか?
また、乳がんの手術には乳房を温存する方法と切除する方法があり、切除した乳房の再建を希望する方もいますが、どのような手術を受けたのか、手術後どれくらいの期間が経過しているかなどで、適した下着が違ってくることもあります。
今回は、乳がん手術をするときに適したブラジャーについてご紹介します。手術前後の日々が少しでも快適に過ごせるよう、下着探しのお手伝いが出来たら幸いです。
乳がん手術前後に特別な下着が必要になる理由とは?
乳がんの治療といっても、検査や手術、放射線治療、抗がん剤治療など様々なものがあります。これまでのブラジャーでも大丈夫な場合もありますが、やはり特別な下着があった方が何かと便利です。まずは、その辺りについて見ていきましょう。
手術前には前開きのブラが便利
検査や診察などで胸を出す機会が多い時期です。なので、普通の後ろホックのブラだと、服を脱ぐかまくるかして背中を出して、いちいち手を後ろに回して外さなければならず、ちょっと大変です。
でも、前開きのブラなら、前のボタンを外すだけでバストを出すことができ、服を脱ぐ必要もなく、ブラを全部外すこともしなくていいので、とってもラクです。
もちろん、再びブラを着けるのも簡単です。
手術後のバストに普通のブラが合わないワケ
乳がん手術後は、手術内容によってバストの一部や片方が切除され、左右のバランスが手術前とは大きく変化します。なので、普通のブラでは手術した側のカップが合わなくなります。
また、手術直後はガーゼやテープなどで手術部分を保護してあります。さらに、手術部位から血液やリンパ液などを排出するために、脇にドレーンが1~2本入ることがあります。なので、伸縮性のない一般的なブラだと、ガーゼやドレーンが邪魔になって着けられないことも多々あります。
手術前は平気だったワイヤーも手術後は痛く感じるという女性も多く、縫い目やアンダーベルトのゴムなどちょっとした刺激にも敏感になり、痛みやかゆみを感じることも多いです。
このような事情から、術後のバストに合わせたやさしいブラが必要になってくるのです。
退院後の生活も専用ブラの方が楽!
手術が終わって退院した後も、放射線治療、抗がん剤治療やホルモン治療などが引き続き行われることもあります。そうでなくても、しばらくはバスト周辺に痛みや違和感が残ることも少なくありません。
また、放射線治療を行う場合、胸や脇にマジックなどで照射位置を書き込まれます。そのあと下着をつけると、マジックの色が下着についてしまうことがあるので、ピンクや白などの薄い色のブラよりも色の濃いブラがベターです。
手術後にどんな状態になるかをあらかじめ知っておかないと、最適な下着選びも難しいね。病院の先生にも相談してみるとよさそう!
乳がん手術をした人向けのブラはここがスゴイ!その機能とは?
乳がん手術の前後には、一般的なブラではなく専用に作られたブラの方が何かと便利で助かるというお話をしました。そんな乳がん手術をした人のためのブラには、どんな機能があるのでしょうか?具体的に見ていきましょう。
乳がん手術後専用ブラの優れた点とは?
胸部を手術すると、それ以前とは違う様々な困難が出てきます。それをカバーすべく、専用のブラには以下のような機能がついています。
- 前開き
- ノンワイヤー
- 縫い目やタグが外側にある
- 伸縮性が良くアンダーの締め付け感がない
- 大き目のパッドが入るポケットがある
- 肌触りが良い
- 脇ぐりが大きい
- 通気性が高い
このような特長を兼ね備え、手術前の診察から手術が終わって普段の生活に戻って以降も使えるようなブラとなっています。
前開きでノンワイヤーは必須項目!
★図作成中★
乳がん手術をする方向けのブラは、いろんなメーカーから出ていますが、どれもこのような前開きのボタンで着脱するタイプが主流となっています。ご説明してきたように、少なくとも入院中はこのような前開きのブラがマストアイテムです。
パッドが入るポケット
乳がん手術後はバストの左右差が出来てしまうので、パッドで調整できると便利です。なので、術後専用ブラにはパッドを入れるポケットも必ずついています。
乳がん手術後に使うパッドは一般的なものより大きいものが多いです。一般的なブラにもパッド受けやパッド自体もついているものがありますが、術後向けのパッドだと大きすぎて入らないことがあります。
なので、やはり専用ブラジャーの方が、大きなパッドも確実に入るのでおすすめです。
別売りのパッドもありますが、パッド付きのものもありますので、自分に合ったものを選んでくださいね。
伸縮性が高いとどんな手術にも対応可能!
乳がん手術には、乳房温存手術もあれば、摘出手術、その後の乳房再建手術など、いろんな術式があります。
そして、乳房再建術には、自分の組織を使う方法と、皮膚の下にエクスパンダーという拡張器を入れ、皮膚を伸ばした後にシリコンインプラントに入れ替える方法があります。
また、先にもお話したように、術後は切除部分にガーゼなどが貼られますし、ドレーンが入ることもあります。その上からでもブラをつけられるよう、やはり伸縮性があることが重要です。
脇の開き具合は意外と重要!
また、切除部位は胸部だけとは限らず、脇のリンパも切除するケースでは、脇にブラのサイドが当たると痛いものです。胸部の切除だけであっても、脇に痛みやひきつれを感じる人は多く、脇にブラが当たらない方が快適です。
脇からドレーンが出せる方が便利という側面からも、やはり脇の開きが大きい方がおすすめです。
専用ブラであっても、この点に配慮していない商品も見受けられますので、脇ぐりに注目して選ぶことをおすすめします。
入院中は前開きが便利なのは分かりますが、術後しばらくたって落ち着いてきたら普通のブラをつけたくなることもありますよね。そんなときは、どう選べばいいんですか?
専用ブラの中にも、普通のブラに近いデザインだけどワイヤーを外側につける等、やさしい工夫がしてあるブラもあるから、それもおすすめよ。
それから、スポーツブラやブラトップなんかもサイズ展開が大まかだから、再建手術前後のサイズ変動にも対応しやすいの。そういうものを使いまわすのもひとつの手ね。
様々な工夫で術後のバストをサポートしてくれる下着があります!
日本人女性の乳がん患者数は、年々増加しています。それに伴って、サポートする体制も整ってきています。
乳がん手術の前後を快適に過ごせるよう考えられたブラやパッドなどがたくさん発売されるようになったのも、そんな流れのひとつです。
患部であるバストを覆うブラがその状況に合っているか否かは、入院生活や術後の生活の質を大きく左右します。ですから、ぜひ乳がん手術をした方専用の下着についても情報を集めて検討し、お気に入りを見つけてくださいね。
でも前開きじゃないと、何かと不便を感じるのは確かね。
専用のブラなら前開きなのはもちろん、温存手術からじょじょにサイズ変動していく再建術にまで対応できるから、おすすめよ。
何かと苦痛や不安の多い乳がん手術だから、それを少しでも和らげるためにも、快適な下着選びをしたいわね。