胸ニキビの原因を解説
暑い季節になると、薄着になったり水着を着たりする機会が増えます。そんな時、胸にニキビができていたら、つい人目が気になってせっかくのオシャレやレジャーが楽しめないこともありますよね。
できれば早く治したいと思っても、治るまでに時間がかかったり、治ってもまたすぐにできてしまったりすることも多いので、難しく感じられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ニキビには顔や胸、背中などできやすい場所がありますが、なぜニキビができてしまうのか、原因がわかれば対処法も考えやすくなります。そこで今回は、なぜ胸ニキビができるのか、その原因を徹底解説します!
ニキビには4段階ある?症状の進み方と特徴まとめ
顔にできるだけではなく、胸や背中などにできることもあるニキビは、おそらく誰もが経験した事があるのではないでしょうか。
できるととても気になるニキビですが、それらは軽度のものか重度のものなのかによって4段階に分けられます。では、ニキビにはどのようなものがあるのか、詳しく確認しましょう。
ニキビの種類
ニキビには、以下のような種類があります。
それでは、ぞれぞれの特徴を見ていきましょう。
ニキビの名称 | 重症度 | 特徴 |
---|---|---|
白ニキビ | 軽度 | 垢や皮脂が毛穴に詰まっている状態 詰まった毛穴が白く見える |
黒ニキビ | 軽度 | 毛穴に詰まった垢や皮脂が増えて押し出され、毛穴が開いた状態 表面に出た皮脂が酸化して黒く見える |
赤ニキビ | 中等度 | 白ニキビ・黒ニキビが進行した状態 菌が皮脂をエサにして増え代謝物を出すことで炎症が起き赤く腫れる |
黄ニキビ | 重度 | 赤ニキビが進行した状態 毛穴が化膿し膿が溜まって黄色く見える |
重度の黄ニキビまで進行すると、大きな炎症が起きるのでニキビ跡ができたり肌に凸凹が残ったりします。
ニキビの名称に色がついていますから、目で見てどの段階かを判断しやすいので便利ですね。白ニキビから始まってだんだんと進行して行きますので、早い段階で対処をすることが大切だということがよくわかります。
さらに重度のニキビになることも!
ここまで、ニキビは重症度によって主に4つに分けられることを確認しましたが、さらに重度のニキビになることもあります。
黄ニキビがさらに進行すると、毛穴の内部に膿だけではなく血も溜まって赤紫色に見えるほど腫れることもあります。これを紫ニキビと呼ぶこともあります。このような状態になると、毛穴のみではなく炎症が毛穴の周辺にまで及びます。
また、白ニキビから黄ニキビまでの4段階を何度も繰り返し、慢性的にニキビができる状態にあることもあります。この状態を、集簇性ざ瘡(しゅうぞくせいざそう)と言います。この場合、体質や免疫異常が関係している可能性もあります。
それよりも酷くなることもあるって言われると、気になるなあ。早めの対策が必要だって言われる理由がわかるよ。
多くのニキビの原因になるのは皮脂を好み酸素を嫌うアクネ菌!
ニキビの名称を見た時に確認したように、赤ニキビは菌が皮脂をエサにして増え代謝物を出すことで炎症が起きるものです。
では、どのような菌が胸ニキビの原因になるのかというと、アクネ菌という名称の菌です。ニキビの原因になる菌としてよく知られていますので、聞いたことがあると言われる人も多いのではないでしょうか。
では、アクネ菌とはどのような性質を持つのか、詳しくご紹介します。
アクネ菌は皮脂が好きで酸素が嫌いな常在菌!
アクネ菌は、皮脂が好物で酸素を嫌うという性質を持った、常在菌です。常在菌とは多くの人の肌に住みついている菌のことを言いますので、アクネ菌は誰の肌にもいる可能性がある菌だと言えます。
先ほど赤ニキビの特徴として菌が皮脂をエサにして増え代謝物を出すことで炎症が起き赤く腫れると言いましたが、この代謝物が遊離脂肪酸なんですね。アクネ菌が増えれば増えるほど、遊離脂肪酸もたくさん作られるようになります。
炎症が起きるとニキビ跡が残りやすくなる!
アクネ菌によって炎症が起きると、周りの皮膚も巻き込まれていることになるため、ニキビ跡が残りやすくなります。
さらに、一度赤ニキビになると同じ毛穴に赤ニキビができやすくもなります。そうなるとその毛穴周辺の皮膚組織がそのたびに崩れることになるので、より跡が残りやすくなってしまいます。
常駐菌だから、誰の肌にでもいる可能性があるのよ。そして、皮脂が好きで酸素が嫌いだから、毛穴が住みやすい環境だと言えるの。だから、ニキビは多くの人を悩ませることになるのね。
アクネ菌以外の菌が原因のことも!マラセチア菌による胸ニキビ
そこで、マラセチア菌とはどのような菌なのか、詳しく確認したいと思います。
マラセチア菌はカビの一種!
マラセチア菌は、カビの一種です。カビと言われると驚かれるかもしれませんが、この菌もアクネ菌同様常在菌です。つまり、誰の皮膚に住んでいてもおかしくない菌だということですね。
マラセチア菌が原因で起こる皮膚の炎症は、マラセチア毛包炎と呼ばれます。
マラセチア菌も皮脂を好んで酸素を嫌う性質がありますし、皮脂を分解し遊離脂肪酸を作り出す点でもアクネ菌と同じだと言えます。そのため、マラセチア毛包炎も胸ニキビという捉え方で構わないのですが、原因となる菌が違うため治療法が変わってきます。
ですので、同じ胸ニキビでもどの菌が原因なのかをきちんと把握することが大切です。
さらに、アクネ菌によるニキビとマラセチア毛包炎が混在していることも多いので、どちらかのみが原因とは言い切れないこともあります。
アクネ菌とマラセチア菌による胸ニキビの違い
では、アクネ菌による胸ニキビとマラセチア菌による胸ニキビをどうやって見分ければいいのでしょうか。両者の違いを見てみましょう。
マラセチア菌によるニキビには、以下のような特徴があります。
- 粒が赤く光沢があり表面はなめらか
- 均一な感じで粒が広がっている
- 背中・胸・肩などにできやすい
- アクネ菌によるニキビと違い押しても潰れない
- 痛みや痒みを伴わないことが多い
- 自然治癒しにくい
これらの特徴をもとに、アクネ菌によるニキビと見分けることも可能です。
マラセチア菌というのがカビだと言われるとちょっとびっくりしますけど、常在菌ということは誰でも持っている可能性がある菌なんですね。
あまり痛みが無いなど、アクネ菌によってできるニキビとの違いもあるから、それをもとに見分けることができるわね。きちんと治療を進めるためにも、どちらの菌が原因なのかを見極めることが大切ね。
なぜ胸にはニキビができやすい?内的要因と外的要因とは
アクネ菌とマラセチア菌、どちらの菌が原因でできているとしても、胸ニキビができやすくなったりできたニキビを悪化させてしまったりする要因もあります。
では、どのようなことが胸ニキビができたり悪化したりする原因になるのか、詳しく確認したいと思います。
内的な要因
まずは、体の内部が関係する内的な要因から見てみましょう。
- 胸が汗・皮脂の分泌量が多い場所であること
- ホルモンバランスが乱れること
胸は汗をかきやすく、また皮脂の分泌量も多い場所です。汗をかいた後はきちんと拭いて清潔にしておけば問題がないのですが、胸という場所なのでたびたび汗をぬぐうわけにはいきませんよね。そのため、排出された老廃物などがそのままになり、毛穴が詰まってしまうことに繋がります。
また、皮脂の分泌量が多いということは、それだけ皮脂が詰まりやすいということでもあります。だから、胸にはニキビができやすいと言えるのです。
さらに、ホルモンバランスが乱れると、皮脂の分泌量が正常に保たれなかったり、肌のバリア機能が働かなかったりして、ニキビができる原因となります。思春期以降のホルモンバランスの乱れは、生活習慣の乱れやストレスによるものが大多数だと言われています。
外的な要因
次に、体の外部が関係する外的な要因を見てみましょう。
- 下着の締め付けや汗・皮脂などによる汚れ
- 刺激の強い素材でできた下着や衣類
- 通気性の悪い下着や衣類
- 肌に合わないボディーソープ
- シャンプーやリンスのすすぎ残し
- 紫外線による刺激
ここで挙げたような外部からの刺激によってニキビが悪化することもありますし、また通気性の悪い下着や衣服を着用することで酸素を嫌うアクネ菌やマラセチア菌が住みやすい環境を作ってしまうこともあります。
下着の締め付けとか、肌に合わないボディーソープなんかが刺激になってニキビが悪化するっていうのは意外だったなあ。そういうことにも気を付けた方が良さそうだね。
1種類ではないからこそ胸ニキビの原因をきちんと知ることが大切!
以上のことから、胸ニキビの原因になる菌として考えられるのは以下の菌だと言えます。
- アクネ菌
- マラセチア菌
これらの菌は、どちらも皮脂を好み酸素を嫌う、皮脂を分解して有害物質を作ること毛穴が炎症を起こしてニキビになるといった共通した特徴を持っています。
ですが、治療法は原因となる菌によって違う場合もありますので、どちらの菌が原因で胸ニキビができているのかをきちんと知っておく必要があります。
胸ニキビの治療法については、こちらの記事で詳しくご紹介していますのでぜひ合わせてご覧ください。
どちらの菌も皮脂が好物で、酸素が嫌いという点で共通しているわ。また、皮脂を分解して有害物質を出すことがニキビの原因になるという点でも同じね。
とはいえ、治療法まで同じというわけではないのよ。だから、どちらが原因になっているのかを知ることが大切ね。