漏斗胸の治し方とは?手術による治療から筋トレまで幅広く紹介!
誰しも自分の身体のどこかに、ひとつはコンプレックスを持っているのではないでしょうか?
そんなコンプレックスとして挙げられるものの一つに、胸の真ん中がへこんだ状態になる「漏斗胸(ろうときょう)」があります。特に治療の必要がないケースも多いのですが、胸が凹んでいると何かと気になるもの。ぜひ改善したいですよね。
今回は、そんな漏斗胸について、病院での治療から自宅でできるケアまで、様々な治療・改善のための方法をご紹介したいと思います。たくさんの方法がありますので、自分の胸の状態や希望に応じて実践してみてくださいね。
自宅での筋トレ・ストレッチで漏斗胸は目立たなくできる!
実は漏斗胸は、軽度なら自宅ケアで改善することができます。重度でも、日々の自宅ケアの積み重ねによって目立たなくすることは可能です。まずは、そのような病院へ行かなくてもできる手軽なセルフケアからご紹介します。
基本は筋トレとストレッチ!
漏斗胸を目立たせなくするためには、肋骨を開きへこみを軽減するストレッチを行なうことと、上半身の中でもへこんでいる部分の周辺である胸筋と腹筋を鍛える事がとても重要になってきます。
筋肉をつけるためには適切な肉が必要にはなりますが、上半身を鍛える筋肉トレーニングやストレッチによって改善が期待できます。
漏斗胸の方の中には軽い運動でも息が上がりやすく運動が苦手な方もいると思いますが、無理のないトレーニングを続けていきましょう。
ちなみに、女性にとっては筋トレがバストアップにもなります。その辺りについてはこちらの記事も参考になりますよ。
肋骨を緩めるストレッチ&腕立て伏せ
繰り返しになりますが、漏斗胸は胸がへこんでいる病気です。これは、胸の肋骨がくぼんだ形になっているからなんですね。
このため、脊椎と肋骨の間の関節を緩めるためのストレッチを行い、緩めた関節を更に開く運動をセットで行うことによって、漏斗胸の軽減が見込めます。具体的には、関節を緩めるストレッチと、胸を開く腕立て伏せです。
まずは、関節を緩めるストレッチです。
2.胸の前で、手の甲を合わせて合掌する。
3.合掌した手の指先を、内側に傾け、みぞおちにつける。
4.背中の筋肉を伸ばすように、息を吐きながら背中を丸めて10秒キープする。
5.ゆっくりと体を起こして30秒体をリラックスさせる。
6.1~5を3回行う。
このストレッチをしたら、そのあと必ず胸を開くための腕立て伏せを行いましょう。
腕立て伏せは床に手をついて行う一般的な方法で構いません。回数も自分の体力に応じて増減してください。
クランチで腹直筋を鍛えよう
お腹の縦中心部分の腹筋を腹直筋、脇腹部分の腹筋を外腹斜筋と言います。特に鍛えていきたいのは胸のへこみに近い腹直筋です。
この腹直筋を鍛えるために効果的な腹筋が「クランチ」という方法。お尻から腰の部分を床に付けたまま行う腹筋方法です。
クランチの詳しいやり方は、以下の動画を参考にしてくださいね。
通常のクランチよりも、より高い負荷をかけて行えるのは、ダンベルを持って行なうダンベル・クランチです。通常のクランチに慣れたら、行ってみると良いでしょう。
スクワットが猫背改善に効果的
漏斗胸の方の多くは猫背気味であることが多く、この姿勢の悪さが胸のへこみをよりいっそう目立たせてしまっている事があります。
姿勢が悪くなってしまう原因は、助骨により呼吸器が圧迫されることで呼吸がしにくく、結果的に猫背気味になる方もいれば、漏斗胸のコンプレックスにより自信が持てず、無意識に猫背になる方もいます。
そのためには、スクワットがおすすめです。
ダンベルがきつい人は、はじめは素手で行ってもかまいません。慣れたらダンベルを持ちながらのスクワットにして、より効率的に鍛えていきましょう。
猫背を改善すると、漏斗胸も改善することがあるみたいだから、まずは日常生活の中で姿勢に気をつけて、スクワットとか姿勢にも効くトレーニングをしていくと良さそう!
筋肉がつきにくい人も多いみたいだけど、効率的に付けたい部分の筋肉をトレーニングすれば、漏斗胸の人でも効果は出るんだって!よく分からない人は、トレーナーの人とかに相談してみるといいかも。
一番の改善方法は「手術」!病院での漏斗胸の治療は?
自宅での筋トレなどに限界を感じたり、もっと本格的な治療を受けたいと望んだりした場合は、やはり病院に行くことになります。
病院で受けられる漏斗胸の治療方法は手術と吸引による方法とがあり、手術の術式には様々なものがあります。それぞれのメリット、デメリットを理解し医師との相談の上で治療方法を決めていきましょう。
手術が必要かどうかの判断
漏斗胸は凹みの深さや症状の重さ、本人がどれくらい気にしているかなど、個人差の大きなものですので、自分の症状が重篤かどうか気になる方は一度医師の診断を受けるべきでしょう。
凹みが深くて心臓や呼吸器系などに症状が出ている場合や、そうでなくてもご本人が見た目を気にして治療を希望する場合は、手術などの治療が行われます。
もちろん、医師の診察や検査によって、治療をした方がよいと判断されることが前提です。女性の場合は乳房があるので、漏斗胸手術をすることでかえって左右差が目立つようになることもあり得ます。
事前に、手術や治療をすることでどんな影響が考えられるのか等、じっくり相談して決めましょう。
吸引する方法
胸の凹みの部分に大きな吸盤を取り付けて、引っ張り上げる方法です。自宅に器具を置いてできるだけ毎日装着し、長期間続ける必要があります。
手術と違って傷跡が残らず、痛みも非常に少なく済むので、手術に抵抗がある方には良い方法です。しかし、長い時間がかかる地道な方法ですし、手術に比べると効果も多くは期待できないので、現在ではあまり行われない方法です。
胸肋挙上術(SCE)
ここからは手術による治療についてお話します。漏斗胸手術にはいろんな種類がありますが、ここでは代表的な3つをご紹介します。
まずは、胸肋挙上術(SCE)という手術法です。この方法では、男性の場合は胸部正中を縦に、女性は乳房の下の曲線を横に切開します。第三もしくは第四肋骨から第七肋骨の胸骨側の一部を切断して短くし、糸で再び胸骨に縫合します。
肋骨だけでなく胸骨の一番下のゆがみが強い部分も切除することで、さらに見た目の改善が期待できるようになりました。
胸骨翻転術
凹んでいる胸骨やその周囲の肋軟骨を切り離してひっくり返し、元の場所に縫合するという手術法です。
胸の凹みを治すという点ではとても効果が大きく、再び陥没するリスクも少ないのですが、その反面手術の傷跡が大きくなってしまうというデメリットもあるので、近年はあまり行われなくなっている手法です。
ナス(Nuss)法
両わきの下に2cmほどの切込みを入れ、そこからステンレス製かチタン製のバーを挿入し、バーをひっくり返して胸を持ち上げる方法です。
胸の正面に傷跡ができないことや、手術中の出血が少ないというメリットがありますが、しばらくバーを胸の中に入れたままで生活しなくてはならず、再びバーを取りだす手術が必要になります。また、稀にバーがずれることがあります。
でも結局、切開して肋骨を切ったりしないと漏斗胸を治療できないんですね…。大丈夫だって分かっててもちょっと怖いですね。
でも外来でよく相談して、確実な方法を選ぶこともできるし、重度じゃないなら手術しないって手もあるのよ。
漏斗胸だからって必ず手術しないといけないとは限らないんだから、自分にとって最善の方法は何かよく考えるといいわね。
選択肢は様々!自分に合った漏斗胸改善方法を見つけよう!
漏斗胸は命に直接関わるものではなく、医学的には治療の必要がないケースがほとんどです。とはいえ、漏斗胸が目立っていると、温泉やプールなど、肌の露出のある機会には尻込みしてしまいますし、気になりますよね。
そんな方にとっては、短期間で見た目が改善できる手術は、魅力的な方法です。傷跡などのデメリットもありますので、医師とよく相談して決めましょう。
また、手術でなくとも、ストレッチや筋トレなど自宅でのケア次第でかなり目立たなくすることもできるんです。露出のシーンで自信が持てる胸元を手に入れるためにも、是非ご自身にあった改善方法を見つけて、実践していってください。
でも凹みが重度で呼吸器や心肺機能の低下があるときや、医師にすすめられたとき、それから見た目を気にしてコンプレックスが強いときなどは、手術が必要な場合もあるわ。
術式は色々あるから、納得できる方法で治したいものよね。もちろん、漏斗胸の手術経験が豊富な病院や医師に見てもらうことは大前提。大事な器官に近いところですから、失敗は許されないわ。
軽度でも悩んでいるなら、ぜひ病院に相談してみてね。