乳がんの治療法を徹底解説!手術から抗がん剤、放射線治療まで!

ノーイメージ

近年、何かと話題になることの多い女性の病気と言えば、やはり乳がんですよね。女性にとっては美容面でも健康面でも、強い不安を感じてしまいがちな病気でもあります。

でも、乳がんは早期発見・早期治療を行えば、決して過剰に恐れる必要のない病気です。乳がんに命を奪われないためにも、正しい知識を持っておくことが大切です。

そこで今回は、乳がんの治療について分かりやすくまとめてお伝えしていきます。どんな治療法があるのか、ぜひこの機会に知っておいてくださいね!

治療法は、乳がんの種類や進行度合いによって決められる!

乳がんの治療法にはいろんなものがあります。どの治療法が選ばれるかは、乳がんの種類やステージ、ご本人の希望などによって決められます。

まずは、どんな乳がんにどのような治療が適用になるのか、簡単にご紹介します。

乳がんの種類と治療法の目安

乳がんは、大きく分けて転移のない非浸潤ガンと、リンパ節などに広がっている浸潤ガンがあります(これについて詳しくはこちらをご覧ください。→本当に怖いのは骨転移?知っておくべき、乳癌の転移と再発とは

まずは、非浸潤ガンなのか、浸潤ガンなのかによって、治療方針が決められることが多いです。

乳がんの種類 治療法の目安
非浸潤ガン 手術 + 放射線治療 → 薬物治療
浸潤ガン 手術前の薬物治療 → 手術 → 手術後の薬物治療・放射線治療
このように、いずれにしても手術が行われるのが一般的で、転移の有無や、手術で切除したガンを病理検査した結果などを元に、薬物治療や放射線治療のいずれか、あるいは両方が選択されます。
乳がんには、「標準治療」と呼ばれる基本的な治療方針があって、乳がんの種類や状態によって標準治療の内容が変わってくるんだそうです。

早く発見すれば治療方法の選択肢も増えるし、より負担の少ない治療で済むみたいですね。

早期発見のためには、やはり乳がん検診をきちんと受けておくことが大切ですね。

乳がんの手術とはどんなもの?様々な手術方法があります!

お伝えしたように、どんな乳がんであれ手術が行われることが多いです。そこで、まずは乳がんの手術について見ていきましょう。

どこをどれくらい切るのか

乳がん手術といっても、どこをどれくらい切るのか、また、乳房を温存するのか切除してしまうのかによって様々な方法があります。

乳がんの手術で切除する可能性がある部分には、以下の3つがあります。

  • 乳房
  • 胸筋
  • リンパ節

このうち、どこをどれくらい切るのかは、ガンの広がりによって慎重に判断されます。

乳がん手術の種類には、大きく分けると5種類あります。以下に、順にご説明していきます。

乳房温存術

乳房温存術は、ガン部分とその周囲の乳腺組織のみを切除し、それ以外の部分の乳房を残す方法です。乳房温存術には、「乳房円状部分切除術」と「乳房扇状部分切除術」とがあり、ガン場所や大きさによって最適な方法が選ばれます。
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温存術のメリットは、やはり自分の健康な部分の乳房を残せるという点です。しかし、ガンの場所や大きさによって、残ったバストがどんな形になるのか、人によってかなりの差があります。なので、温存を希望する場合は、その辺りを医師とよく相談しておきましょう。

デメリットとしては、温存した部分の健康だった乳腺に再発するリスクがあり、再手術が必要になることもあること、それを防ぐためには術後に放射線治療が必要になることが挙げられます。

乳房切除術

乳房切除術とは、いわゆる全摘出手術のことであり、乳頭や乳腺組織、皮膚に至るまですべてをガン部分と一緒に切りとってしまう方法です。
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メリットとしては乳房内に再発するリスクがなく、原則として術後の放射線治療が不要であるという点があります。

しかし、美容面では温存術に比べると劣るケースが多いというデメリットがあります。近年はこのデメリットをカバーすべく、全摘手術後の乳房再建術も行われるケースが増えてきています。

腋窩リンパ節郭清

乳がんは、脇の下のリンパ節(腋窩リンパ節)に最初に転移しやすいと言われています。検査によって転移が見つかった場合、乳房の手術と同時に腋窩リンパ節も切りとる「腋窩リンパ節郭清」という手術が行われます。

腋窩リンパ節郭清を行うと、術後に腕などにひきつれ感やむくみ(リンパ浮腫)などが起こることがあります。

それを防ぐためのケアを指導してもらえますので、術後の生活を快適にするためにも、きちんと実践しましょう。(術後のケアについては、こちらの記事にて詳しく説明しております→乳癌は術後の過ごし方も大切!生活の質を落とさないためのケアとは

センチネルリンパ節生検

センチネルリンパ節とは、乳がんが転移する際、リンパ管に入ったがん細胞が最初にたどりつく場所です。つまり、センチネルリンパ節にがん細胞が転移していなければ、腋窩リンパ節にはほぼ確実に転移がないことが分かってきました。

そこで、乳がん手術の前に放射線同位元素か色素をしこりの近くや乳輪に注射し、手術中にセンチネルリンパ節に転移があるかどうかをチェックするという手法がとられるようになってきました。これが、センチネルリンパ節生検です。

センチネルリンパ節に転移がないことが確認されれば、不要な腋窩リンパ節郭清を省略することができ、負担を減らすことができるのです。

乳房再建術

乳房再建術は、切除した乳房を再建して見た目を元通りのバストに近づけるための手術です。ガンという病気を治療するための手術ではなく、美容面を整えるための手術なのですが、現在は保険適用の手術となっています。

乳房再建術には、大きく分けると以下の3通りの方法があります。

  • がんの手術と同時に、背中やお腹から皮膚や筋肉、脂肪などをバストへ移植する方法
  • がん手術時にエキスパンダーを入れて皮膚を伸ばし、後日インプラントまたは自分の組織を入れる手術を行う方法
  • まずがん手術のみを行い、後日エキスパンダーを入れる手術、さらに後日インプラントまたは自分の組織を入れる手術を行う方法
1回の手術でガンの切除と乳房再建を同時に行うことができる方法から、3回手術が必要になるものもあります。これも、ガンの大きさなどによってどの方法が用いられるかが決められますので、医師とよく相談しておきましょう。
乳がん手術といっても、こんなにもいろんな種類があるんだね~。

状態に合わせて最適な手術法を医師から提案してもらえるのだろうけど、もし私が乳がんになったら、こんな貧乳でもやっぱりおっぱいは温存したいって思ってしまうだろうな…。

でも、温存すると再発のリスクが高まるのかな?

温存したいと思うのは、女性としては自然な気持ちよね。

乳房温存術を受けた後に放射線治療をきちんと受ければ、全摘出した場合と同じように再発を防げると言われているわ。

ただ、乳がんの場所や広がりによっては、全摘出してから乳房再建したほうが見た目的にきれいにできるケースもあるのよ。健康面だけでなく、美容面でも医師とよく相談したほうがいいわね。

放射線治療って何?どんなときに行われる治療法なの?

ここまでお話してきた手術は、乳がんのもっとも基本的な治療法です。しかし、手術だけでは治療しきれない場合、放射線治療が行われることがあります。特に、温存手術をした方は、放射線治療が適用されることも少なくありません。

そこで次に、そんな放射線治療についてご説明します。

放射線治療とは

放射線とはX線や電子線などのことであり、これを身体の外から患部へ照射し、ガン細胞を減らしていくのが放射線治療です。

メリットとしては、痛みがまったくないので治療時の身体的負担が少ないことや、手術が難しい部位へ転移してしまったときでも利用できることなどが挙げられます。

一方、放射線を当てた部分の赤味、倦怠感、むくみなどの副作用というデメリットが現れる人もいます。

乳がん手術後の放射線治療は、週に5回×5週間で計25回の照射を行うのが一般的です。しかし、病院によっては1回当たりの照射量を調整して、短期間で終われるような工夫をしているところもあります。

放射線治療が行われるのはどんなとき?

放射線治療が選択されるのは、主に以下のようなケースです。

  • 乳房温存術後の再発を予防するとき
  • 切除手術後の転移や再発を予防するとき
  • 乳房・骨・脳などに再発したとき

このように、術後の再発や転移を予防するとき、そして、再発してしまったときに用いられる治療法です。

乳房を全切除した場合は放射線治療をしなくてもよいのが一般的ですが、ガンの大きさや広がり方によっては再発予防のために、全切除後の放射線治療をすすめられることもあります。

乳がんの治療は、手術をするだけでは終わらないことも多いみたいですね。生存率を上げるためには、根気よく治療を続ける必要があるんですね。

放射線治療は、再発の予防や転移したがんへの治療が目的ですが、照射した部分以外には効果がないので、全身的な効果が期待できる薬物治療と組み合わせることも多いんだそうです。

抗がん剤やホルモン剤など、乳癌に対する薬物治療も進化中!

乳がんのもっとも基本的な治療法が手術であるのは、すでにお伝えした通りです。手術をする直接の目的はガンを切りとることですが、それだけではないんです。

切除したガン細胞をチェックして、どの程度再発や転移が起こり得るか、また、どんな薬が効果的かを推測するという意味もあるのです。

そこで最後に、乳がんの薬物治療にはどんな種類があるのかについて見ておきましょう。

ホルモン療法

乳がんの発症や進行には女性ホルモンのエストロゲンが影響しているのですが(詳しくはこちらをご参考にしてください)、乳がん細胞が増殖するためにエストロゲンを摂り込む触手を、「ホルモン受容体」といいます。

そして、このホルモン受容体を持っているガンを「ホルモン受容体陽性乳がん」、持っていないガンを「ホルモン受容体陰性乳がん」といいます。

ホルモン療法は、ホルモン剤の服用によって体内で作られるエストロゲンを減らしたり、ガン細胞がエストロゲンを摂り込むのを防いだりして、ガン細胞の減少や死滅を狙う治療法です。

この方法は、ホルモン受容体陽性乳がんには効果的ですが、ホルモン受容体を持っていないがん細胞には効きません。

抗がん剤治療(化学治療)

ホルモン療法が効かないタイプの乳がんへの薬物治療としては、抗がん剤治療が用いられます。

抗がん剤には様々な種類があり、生検の結果を踏まえて効果的な抗がん剤を何種類か組み合わせ、点滴で行われることが一般的です。しかし、ときには、内服薬タイプの抗がん剤を1~2年ほどかけて使うこともあります。

抗がん剤はがん細胞の増殖を抑えることができるのですが、がん細胞だけに威力を発揮するわけではなく、健康な細胞にも効いてしまうため、髪の毛が抜けるなど様々な副作用が現れやすいというデメリットがあります。

分子標的治療

そのような従来の抗がん剤のデメリットを解消できる薬物治療として、分子標的治療があります。

これは、「HER2タンパク受容体」という触手を持つ、特定のがん細胞にだけ効果を発揮する新しい抗がん剤治療で、健康な細胞には作用しないため、副作用を抑えることができるのです。

抗がん剤と言えば、髪が抜けてしまうというイメージがあるよ。それは、正常な細胞にまで抗がん剤が作用してしまうためだったんだね。

でも、分子標的治療という新しいタイプの抗がん剤なら、がん細胞にだけ作用するから、副作用で辛い思いをしなくてもいいんだね!

今のところ、その新しい抗がん剤を使える乳がんのタイプは限られているみたいだけど、研究が進歩すればもっといろんなタイプの乳がんに効く薬ができそうだね!

乳がんは治るガン!一人一人に合ったオーダーメイドの治療法

様々な乳がんの治療法についてお話してきました。まずは手術をするのが乳がん治療の基本であり、手術の前後に放射線治療や薬物治療を行うことが一般的です。

乳がん細胞のタイプによって、効果が高く副作用の少ない治療法を組み合わせて選択できるようになってきているため、かつては手の施しようのなかった乳がんも治療可能になっているケースもあります。

乳がんについての研究は日々進んでおり、それに伴って効果的な治療法もどんどん進化しています。ですから、乳がんと診断されても絶望することはありません。医師とよく相談して、希望を捨てずに最良の治療を受けましょう。

乳がんって宣告されただけでパニックになってしまう人が多いけど、乳がんって、他の様々ながんの中では、治りやすいものなのよ。

放射線治療も、ほかのガンよりも効果が出やすいし、放射線治療や化学療法でがんを小さくしてから手術することで負担を最小限にすることもできるのよ。

乳房再建術の技術もどんどん進んでいるから、美容面で満足のいく治療ができる可能性も高くなっているわ。

とはいえ、少しでも負担の少ない治療をするためには、とにかく定期的に乳がん検診を受けることが大切よ!