授乳期の胸の張りは乳腺炎の兆候?熱やしこりの症状が出たら注意!

授乳期の胸の張りは乳腺炎の兆候?熱やしこりの症状が出たら注意!

母乳で赤ちゃんを育てた方の中には、乳腺炎になったことがあるという女性は多いと思います。バストが腫れたり、激しく痛んだりと、なかなか辛い症状が出ることもよくある乳腺炎ですが、人によって症状は様々です。

また、授乳期以外にもかかることがある乳腺炎もあり、その種類によって症状の出方が異なることもあります。そこで今回は、乳腺症の種類について詳しくご紹介していきます。

他の病気と間違えやすい症状もあったりしますので、バストの病気について幅広く知っておくためにもぜひ読んでみてくださいね!

授乳期の乳腺炎は胸の張りから始まる!?急性乳腺炎の症状とは

乳腺炎には、主に授乳中にかかる急性のもの(急性うっ滞性乳腺炎や急性化膿性乳腺炎)と、授乳期以外や授乳の経験のない女性でもなることがある慢性のものとがあります。(この辺りについて詳しくはこちらの記事をご確認ください→乳腺炎とはどんな病気?乳腺炎の原因も含めて大解説!

急性か慢性かによって症状も一部異なりますので、まずは授乳期によくある急性の乳腺炎の症状からお話していきます。

急性うっ滞性乳腺炎の症状

産後に最初にかかる乳腺炎として圧倒的に多いのが、この急性うっ滞性乳腺炎です。

これには、以下のような症状があります。

  • 乳房の張り・腫れ・赤み
  • 母乳の詰まりによるしこりができる
  • 痛み
  • 微熱

出産後、赤ちゃんに乳首を吸われることにより、母乳を作るためのホルモンが分泌されるようになります。

しかし、生まれたばかりの赤ちゃんの哺乳力は弱いことも多く、また飲める母乳の量も少ないため、乳房が母乳でパンパンに張ってしまうことがよくあります。これが急性うっ滞性乳腺炎のはじまりです。

赤ちゃんに母乳を飲んでもらって乳房が柔らかく戻ればいいのですが、乳管に母乳が詰まってしまうと、その部分がしこりになってしまったり、痛みや軽い発熱が出たりします。

これが、急性うっ滞性乳腺炎の典型的な症状です。

急性化膿性乳腺炎の症状

急性うっ滞性乳腺炎がひどくなったり、細菌に感染したりすると、急性化膿性乳腺炎になることがあります。その症状は以下の通りです。

  • 乳房の張り・腫れ・赤み
  • 膿や母乳がたまったしこりができる
  • 激しい痛み
  • 38度を超える高熱・悪寒
  • わきの下のリンパの腫れや痛み

症状の多くは急性うっ滞性乳腺炎と共通していますが、症状の程度が激しくなります。

しこりに触れるだけで飛び上がるほどの痛みを感じたり、時には40度近い高熱が出たりと、もはや自力で対処できるレベルではない症状が出ることも多いです。

こうなってしまったら、できるだけ早く専門家に診てもらいましょう。対処法や治療法はこちらの記事を参考にしてくださいね。

急性うっ滞性乳腺炎とか、急性化膿性乳腺炎とか、なんだか難しい病名だね~。

簡単にいうと、母乳が詰まってしこりや痛みがでたり、高い熱が出たりする、授乳中の女性ならではの急性の炎症ってことでいいのかな?

40度近くの高熱や、飛び上がるほどの痛みなんて、想像しただけでもすごくツラそうだね…。

そうなのよね。バストのしこりが痛すぎて、泣きながら赤ちゃんを抱っこするママもいるのよ。そうなる前に、うっ滞性乳腺炎の段階で母乳の詰まりを解消しておいた方がいいわ!

「うっ滞」とは、血液やリンパ液などの体液が正常に流れず、滞ってしまうことよ。病名は難しいけど、母乳が流れずに詰まってしまうタイプの乳腺炎と考えれば分かりやすいわ。

しこりや熱などの症状も、母乳の詰まりから来てるってわけよ。

肉芽腫性乳腺炎や慢性乳腺炎にはどんな症状が出るの?

次に、慢性の乳腺炎である肉芽腫性乳腺炎、乳輪下膿瘍や乳管拡張症にはどのような症状が出るのか見ていきましょう。

肉芽腫性乳腺炎の症状

細菌感染がないにもかかわらず炎症が起きる、慢性乳腺炎の一種とも言える肉芽腫性乳腺炎には、以下のような症状があります。

  • 乳房に膿がたまったしこりができる
  • 乳房の皮膚に赤みが出る
  • 痛み

自覚症状としてはしこりに気づくところから始まるケースが多く、乳がんを心配して受診したら肉芽腫性乳腺炎と診断されるということもあります。

しこりの他にも、皮膚の赤みや痛みなど乳がんと似た症状があり、医師にも見分けにくいことがあるので、必ず病院で検査を受ける必要があります。

乳がんか乳腺炎かよく分からず不安という方は、こちらもあわせてお読みいただくと参考になりますよ!→乳癌の症状について解説!胸のしこりや痛みは乳癌なの?

慢性乳腺炎の症状

肉芽腫性乳腺炎の他にも、慢性乳腺炎には乳輪下膿瘍や乳管拡張症といったものがありますが、これらにはどんな症状があるのでしょうか?

  • 乳輪の下に膿などが溜まった袋ができてしこりになる
  • しこり周辺に熱を持つ
  • 痛み
  • 赤み
  • 乳頭からの分泌物
  • 発熱・悪寒
  • 瘻孔(ろうこう)ができて膿が出てくる
しこりや皮膚の発赤など、他の乳腺炎と同じような症状も多いですが、急性の乳腺炎に比べると程度は弱めです。痛みも急性の乳腺炎のような激しいものではないため、何となく違和感を覚えながらもなかなか受診につながらず、治癒しにくい傾向があるため注意が必要です。

また、瘻孔と呼ばれる穴が乳輪周辺にでき、そこから膿が出てくるのも慢性乳腺炎にはよくあるケースです。

何度も再発する経過をたどることも少なくないため、医師の指示通りにきちんと通院して完治させることが大切です。

授乳中によくある急性の乳腺炎と、授乳経験には関係なく発症する慢性の乳腺炎とでは、症状そのものは同じようなものでも、急性の方が強く出るという違いがあるんですね。

慢性乳腺炎では、膿の袋がやぶれて皮膚にあいた穴から出てくるという症状があるのが特徴的ですね。

何度も繰り返して長引くことになったら大変ですから、しこりのうちに完治させておきたいものですね。

胸の張りやしこり、発熱、痛みなどが乳腺炎の典型的な症状!

乳腺炎の症状について、乳腺炎の種類に分けてお話してきました。バストに母乳や膿などがたまってしこりになったり、熱が出たり、腫れや痛み・赤みなどがあらわれたりするのが乳腺炎の典型的な症状です。

しかし、急性の乳腺炎と慢性のものでは、症状自体は同じでも強さが異なるケースが多く、一般的に急性化膿性乳腺炎の症状がもっとも激しくて辛いものだと言われています。

軽い痛みやしこりのようなものは、多くの女性が感じたことのある症状かと思いますが、生理前に特に強くなるなら乳腺症かもしれません。乳腺症と乳腺炎は名前はそっくりでも治療法などが異なりますから、いずれにしても一度は病院で診てもらうことをおすすめします。

乳腺炎って、赤ちゃんを母乳で育てたことがある女性以外には、あまり馴染みがない病気かもしれないわね。でも、実はどんな女性でもなる可能性がある病気なのよ。

しこりが出来ることも多いから、「もしかしたら乳がんかも?」と思う人もいるかもしれないわね。確かに、中には乳がんとほとんど同じような症状が出るタイプの乳腺炎もあるから、きちんと調べてもらうことが必要よ。

授乳期の乳腺炎の症状はまだ分かりやすいけど、慢性乳腺炎は専門医でも症状を聞いただけでは判断が難しいこともあるの。胸の張りやしこり、熱などが出たら、自己判断はしないで乳腺外来へ行ってみてね。