陥没ちくびでもできる授乳方法

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赤ちゃんを授かったら、母乳で育てたいと考えている女性もきっと多いですよね。実際の授乳は思うように母乳が出なかったり、赤ちゃんの吸う力が弱かったりと、なかなか大変なことも多いのですが、女性にしか味わえない喜びであるのもまた事実です。

でも、ちくびが凹んでいる陥没ちくびの女性は、授乳が難しいことが多いんです。もしも陥没ちくびならば、将来の授乳に備えて早めに対策をしておくことをオススメします。

この記事では、陥没ちくびの場合、授乳に際してどのような不便があるのか、対策が間に合わなかった場合、どうすれば授乳が可能になるのかといったことについてご説明しています。ぜひ、ご参考にしてくださいね!

陥没ちくびだとなぜ授乳がしづらいの?

すでに触れたように、陥没ちくびの女性は母乳育児が難しいと言われています。でも、それってなぜなのでしょうか?まずは、その辺りからお話を始めましょう。

赤ちゃんが吸いにくい!?

陥没ちくびには、大きく分けて以下の2種類があります。(下記の記事には、陥没乳頭の原因について詳しくご紹介しています。是非お読みくださいね!)

  • 仮性陥没ちくび:普段は凹んでいても刺激によって乳首が出てくる
  • 真性陥没ちくび:刺激を受けても乳首が出てこない

これを踏まえ、赤ちゃんがおっぱいを飲むとき、どんなふうにするのか確認してみましょう。

授乳のときには、赤ちゃんはお口に乳輪ごと咥えて、舌の上に乳首を載せて母乳を飲みます。

一般的には、2.5cmほどの長さがあり、柔らかく伸びが良い乳首が母乳育児には理想的とされています。しかし、乳首だけを吸わせて授乳するわけではないので、赤ちゃんに吸われて乳首が出てくる仮性陥没ちくびであれば、授乳にもそれほど大きな困難はありません。

しかし、吸われても乳首が出っ張ってこない真性陥没ちくびの場合、赤ちゃんがうまく飲めないことがあります。

つまり、真性陥没ちくびや、陥没まではいかなくても乳首が短い人は授乳が難しくなるリスクが高いということなのです。

乳腺炎のリスクも高い!?

乳腺炎とは、乳腺に雑菌が入るなどして炎症を起こしてしまうもので、以下の3種類があります。

乳腺炎の種類 特徴
急性うっ滞性乳腺炎 ・授乳中にかかることが多い
・乳腺に母乳が詰まって炎症を起こす
・乳房全体が赤く腫れて、硬くなる
・微熱や痛みなどの症状が出る
急性化膿性乳腺炎 ・授乳中にかかるケースがほとんど
・傷口や乳管口から雑菌が入って炎症を起こす
・乳房の一部に腫れ、発赤がみられる
・激しい痛みや高熱などの症状が出る
慢性乳腺炎 ・膿瘍(のうよう)と呼ばれる膿の入った袋ができ、
切開して排出しなければならないことも多い
・再発を繰り返す
・陥没ちくびとの関連が深く、
授乳経験がなくても罹患することがある

産後すぐの頃は、赤ちゃんの吸い方が上手ではなかったり、飲む量と母乳の分泌量とのバランスが取れなかったりして、急性うっ滞性乳腺炎になることは全く珍しいことではありません。

また、赤ちゃんが成長して歯が生えると、乳頭を儼まれたりして傷がつき、そこから雑菌が入って急性化膿性乳腺炎になることもよくあります。このように、乳首が出ている状態でも乳腺炎に悩む新米ママは多いんです。

陥没ちくびの場合は、もともと雑菌が溜まりやすく、赤ちゃんが飲みづらい形状なので、授乳中に乳腺炎になる確率も高くなります。さらに、授乳中以外の時期にも、慢性乳腺炎のリスクもあるというわけなのです。
赤ちゃんにおっぱいを飲ませるには、乳首の長さや柔らかさが必要なんですね!だから、吸われても乳首が出てこないタイプの陥没ちくびは、直接授乳することが難しいんですね。

陥没ちくびだと汚れがたまりやすくて、乳腺炎にもなりやすいなんて、授乳中の身にはきっとつらいですよね。

でも陥没ちくびの場合は授乳していなくても乳腺炎になることもあって、しかも慢性になりやすいそうで、ますます大変そうです…。切開して膿を出すのは嫌なものですし、妊娠前に陥没ちくび自体を治療するのも有効な手立てですね。

対策はいろいろ!こうすれば陥没ちくびでも授乳はできる!

お話してきたように、陥没ちくびの女性はそうでない女性にくらべて授乳が難しいことがあり、また、乳腺炎になるリスクも高いんです。でも、妊娠中あるいは妊娠前から準備することで、授乳をスムーズにしていくことも可能です。

妊娠中からマッサージを!

陥没ちくびの女性が母乳育児をするには、妊娠中からマッサージなどで乳首を柔らかくしておくことが効果的な対策方法のひとつです。先にも触れましたが、赤ちゃんが吸いやすい乳首とは、長さだけでなく柔らかさも必要なのです。

実際の乳頭マッサージの方法などは、こちらの記事をご参考にしてくださいね!→乳頭マッサージの方法

ただし、妊娠初期には安易にマッサージしない方がよいので、自分の判断だけで行わず、必ず助産師さんや看護師さんに相談しながら進めてくださいね。

授乳直前にも対策を!

妊娠中の対策も重要ですが、出産後、実際に授乳を行うときにもその都度工夫することが、飲みにくさを改善するための大切なポイントです。

  • 少し搾乳してから授乳する
  • 吸引器で乳首を出してから授乳する

たとえば、母乳がたまって胸が張っていると、赤ちゃんにとっては固くて吸いづらいものです。なので、少し搾乳してから授乳するとよいでしょう。手で搾乳できればそれでもよいですし、難しければ搾乳器を使うのもおすすめです。

また、仮性陥没ちくびの場合は、赤ちゃんに咥えさせる直前に、乳頭吸引器具で乳首を出しておくのも有効な対策です。

乳頭保護器を使う

母乳育児が軌道に乗れば、赤ちゃんに直接吸ってもらうのが一番楽ではありますが、陥没ちくびや扁平乳首の場合、いろんな対策をしても直接吸いつきづらいケースもあります。そんなときには、乳頭保護器が活躍してくれます。

乳首にかぶせて授乳するだけなので、お手軽です。陥没ちくびではなくても、乳首の傷などの乳輪トラブルや授乳時の痛みがあるときなどでも、これを使えば授乳ができるので便利です。

搾乳器もオススメ!

先にも少し触れましたが、搾乳機は陥没ちくびの強い味方です!母乳がいっぱい溜まってバストに張りがあるときも、搾乳器で少し母乳を抜いてあげれば、柔らかくて吸いやすい胸になります。

手動と電動のものがあります。お好みで選べばよいのですが、電動だと陥没ちくびには刺激が強すぎることもあるので、はじめは手動にしておくとよいかもしれません。

陥没ちくびに搾乳器がオススメであるもうひとつの理由として、搾乳器を使っているうちに乳首が出てくることがあるというものが挙げられます。そうなれば直接授乳も可能になりますので、搾乳の手間も省けるようになります。
そっか!直接飲ませるだけじゃなくて、搾った母乳を哺乳瓶に入れて飲ませてあげるのだって、立派な母乳育児だよね!

これなら、真性陥没ちくびの人でも母乳で赤ちゃんを育てられるね。

それに、陥没ちくびでも直接母乳をあげられる人もけっこういるんだね。マッサージなら妊娠する前から始められるし、乳頭保護器や搾乳器とか、授乳の助けになるような器具がこんなにいろいろあるなんて知らなかった~。

そうなのよ!そもそも軽度の陥没ちくびなら、赤ちゃんに吸ってもらっているうちに自然に乳首が出てくることもよくあるのよ。授乳が陥没ちくびの治療にもなって一石二鳥よね。

でも、刺激で乳首が出てこないタイプの人は、直接飲ませるのは難しいかもしれないわね。そんなときでも搾乳器や乳頭保護器を使えば、母乳育児ができる可能性があるわ。

陥没ちくびだからって最初から母乳をあきらめる必要はないわ。一度、助産師さんに相談してみてね!

陥没ちくびでも授乳は可能!マッサージや器具などを活用しよう!

できることなら、赤ちゃんを完全母乳で育てたいと望む女性は少なくありません。でも、実際は思うように母乳が出なかったりして、希望通りには進まないこともあります。

ましてや陥没ちくびの場合は、乳頭の形状が吸いづらいことや乳腺炎になりやすいことから、より授乳が難しくなります。無理せずミルクにするという選択ももちろん悪くないですが、母乳を飲ませたいという気持ちがあるなら、事前に準備することが大切です。

妊娠前や妊娠中からマッサージをして乳首を出す癖をつけたり、保護器や搾乳器などのグッズを活用したりするのもとても良い方法です。助産師さんなど専門家のアドバイスも受けつつ、ぜひ楽しい母乳育児を実現してくださいね!

陥没ちくびは、バストと乳管の長さの発達がアンバランスであることが原因だから、母乳を作る機能自体には問題はないのよ。だから、授乳はじゅうぶん可能なの。

ただ、乳首の長さが足りなくて飲ませづらいことだけが問題だから、そこを解決すべくマッサージしたり乳頭保護器を使ったりして対策をとれば、母乳育児を目指すことができるのよ。

できるだけスムーズに母乳を飲ませるためには、妊娠前からの準備が欠かせないわ。将来授乳を希望してる人は、自分の乳頭が授乳可能かどうか病院で相談しておくといいわよ!